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ストレスチェック制度を考える(8)

全員面談や職場訪問で社員の健康に目を配る メンタル不調を重症化させず、早期復職へ

2016.07.06   三井住友海上火災保険人事部 駿河台健康管理センター産業看護職 永田育世 氏

永田育世 氏
三井住友海上火災保険人事部 駿河台健康管理センター産業看護職
永田育世 氏

東海大学健康科学部 看護学科卒業。病院勤務を経て、外資系企業に産業看護職として勤務し、2012年より現職

2015年12月から、従業員50人以上の事業所に実施が義務付けられたストレスチェック制度。組織における実施体制の構築が急務となる中、企業に求められる対応や必要な準備とは何か。

連載2回の第1回は、産業保健チームの体制や業務、メンタル不調者への対応などについて、三井住友海上火災保険人事部 駿河台健康管理センター産業看護職の永田育世氏にお話を伺った。
(取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子)

看護職と保健師の2つの資格で
より広いアセスメントで支援

健康管理センターの体制と日常業務について、教えてください。

永田 私が所属している健康管理センターは本部機能を持つ駿河台健康管理センターとエリアを担当する健康管理室にて構成されています。駿河台健康管理センターには常勤の産業医2名、嘱託の精神科医1名、産業看護職19名が在籍しています。また、北海道から九州まで各エリアには健康管理室を設置しており、産業医と産業看護職が在籍しています。このように社員の健康を守る環境としては非常に充実していると思います。

業務は厚生労働省が定める特定保健指導や健診措置に加え、従業員50人以上の事業場で実施義務のある衛生委員会を毎月開催し、従業員の健康障害や危険等の防止対策がなされているかをチェックします。

永田さんは看護師と保健師の資格を取得していらっしゃいますが、こういった方は多いのですか。また、なぜ2つの資格を取得されたのですか。

永田 健康管理センターには両方の資格を取得している人も多く、何年かの病院経験を経て、産業保健スタッフとして働いています。実際、当社の産業保健の中では看護職と保健師の業務にさほど違いはありません。

ただ、例えば脳出血を起こした人がどのような症状で、どんな過程で回復していくのか、その見通しを把握するためにも、ある程度の臨床経験があった方がより良いと思います。また、メンタル不調は単体で発症する人もいますが、メンタル、フィジカル混合の人も多く、幅広い対応が求められています。看護職と保健師の知識を持っていることで、より柔軟で幅のあるアセスメントができると考えています。

メンタル不調が疑われる人がいた場合、どういった対応をされているのですか。

永田 不調に気づいた上司や同僚からの紹介ルートもありますし、自ら不調を訴えて健康管理センターへ来る人もいます。また、自分から言い出せずに困っている人がいるかもしれないので、各事業所に産業看護職が出向いて全員面談も行っています。

全員面談は定期的に実施されているのですか。

永田 例えば、年齢や体調などにより対象者を絞って面談をすることもあれば、全員に面談を行うこともあります。全職場を産業看護職が訪問できるよう、担当エリアごとに計画を立てて実施しています。

また、面談に加え、職場の風通しやメンタル不調になっていないかなどの確認を行うほか、管理職の方々には部下に対してしかるべき健康管理がなされているか助言も行います。最初の入り口は私たち産業看護職ですが、就業上の措置等が必要なレベルの社員については産業医に意見を出してもらい、人事担当と連携しながら取り組んでいます。