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ストレスチェック制度を考える(5)

精神医学に精通した産業医を 精神科医がバックアップする仕組みの構築を

2016.05.11   社団医療法人北九州病院・北九州古賀病院院長 産業医科大学名誉教授 中村 純 氏

社会医療法人北九州病院・北九州古賀病院院長 産業医科大学名誉教授 中村純氏
社会医療法人北九州病院・北九州古賀病院院長 産業医科大学名誉教授 中村 純 氏
1975年 久留米大学医学部卒業。1979年久留米大学大学院医学研究科博士課程修了。1979年米国テキサス大学ガルベストン校留学(2年半)。1994年久留米大学医学部神経精神医学講座助教授。1998年産業医科大学医学部精神医学教室教授。2015年3月 産業医科大学 定年退職。2015年4月 産業医科大学名誉教授、社会医療法人北九州病院・北九州古賀病院勤務。同年6月より現職

ストレスチェック制度の義務化から約4カ月が過ぎた。保健同人社とヒューマネージの調査によれば、施行後2カ月半の時点で準備状況について「ほぼ完了している」と回答した企業のメンタルヘルス担当者は5%未満で、「検討中/情報収集中」と回答したのは60%を超えていたという。また、制度導入にあたって懸念される点については、トップが「高ストレス者への対応」、次いで「規定の整備」「ストレスチェック実施後のフォロー体制」と続いた。専門的な知識を要する制度への理解、運用に対応する周囲との調整や連携など、様々な課題が浮き彫りとなっている。

連載3回の3回は、制度活用のポイント、課題と対策などについて、引き続き、社団医療法人北九州病院・北九州古賀病院院長 産業医科大学名誉教授の中村純氏にお話をお伺いした。
(取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子)

労働者に義務付けられていない
ストレスチェック制度

年1回の実施で季節性うつ病などを見逃す可能性がありますが、さらにまずいのは、従業員にストレスチェックを強制できないことではありませんか。

中村 ストレスチェック制度は事業者には義務付けられているものの、労働者には義務付けられていません。労働安全衛生法に基づく定期健診の受診率は現在、概ね80%強、特定健診で40%、程、長時間労働者の面接指導でも50%です。そこに今度のストレスチェック制度が加わりました。いままでの定期健診の中からメンタルヘルスを除き、わざわざ66条の10で別に分けてメンタルヘルス制度を導入した。そのことだけをとってみても、精神疾患に対する偏見であると思っています。

特定健診、定期健診、面接指導(クリックすると拡大)

定期健診から、なぜメンタルヘルスを除くことになったのですか。

中村 労働者側が反対したと聞いています。当初、この法律の名前は「精神的健康に着目した職場のリスク評価」(※1)でした。そして、最終的には厚労省のレジュメでも、職場のストレスの特徴を的確に把握するために、「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」を選定しましたし、逆に「心身のストレス反応」のみとすることは積極的に推奨されないとしています。

※1
最初は「心身のストレス反応」が議論の中心だったが、「仕事のストレス要因」および「周囲のサポート」項目が入った。

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http://www.nikkeibp.co.jp/atclgdn/mental/15/245445/2016042001/