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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
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「医師の団体の在り方検討委員会」報告書を提出 4月12日、日本医師会が定例記者会見 第2回

2017.04.27 21世紀医療フォーラム取材班

医師の偏在を含む様々な医療の問題を解決するために、日本医師会内に設置されていた「医師の団体の在り方検討委員会」が報告書を取りまとめた。これを受け、2017年4月12日(水)の定例記者会見において、日本医師会会長の横倉義武氏、同会副会長の今村聡氏、同会常任理事の釜萢敏氏、京都大学名誉教授で「医師の団体の在り方検討委員会」委員長の本庶佑氏がその内容について説明した。連載2回の第2回は、定例記者会見での内容をリポートする。

冒頭、京都大学名誉教授で「医師の団体の在り方検討委員会」委員長の本庶佑氏は、2016年10月31日開催の初会合以降、計4回にわたって議論を重ねてきた。同年12月の中間報告を踏まえた上で、2017年3月29日に今回の報告書を日本医師会会長の横倉義武氏に提出したことを報告した。

同報告書は、「医師の団体の在り方検討委員会」を設置した背景について述べた「はじめに」に続き、4つの提言を盛り込んだ「提言」、さらに今後の議論の目指すところに触れた「結び」で構成されている。

■提言

(1)職業選択の自由の下、医師が自由に診療科や診療場所を選べることは尊重されるべきであるが、公的医療保険制度においては、医師は職責の重さを認識したうえで、自主的・自律的に何らかの適切な仕組みをつくり、医師の偏在の解消を実現していくことが必要である。

(2)(1)の仕組みをつくり運営していくため、また、国民の医療に対する期待に応えていくためにも、行政から独立した、医師全員が加盟する団体が必要である。

(3)医師の地域偏在解消にあたっては、地域の医療事情に応じた対応が求められる。医師の団体が、大学などの関係機関との協働や行政との連携、さらには国民や若い世代の医師等も含めた討議を通じて、全国的な視野に立ちつつ、都道府県を単位とする仕組みの構築を推進していく重要である。

(4)現在、進められている新たな専門医の仕組みは、医師の診療科の偏在の問題に重大な影響を与える。日本医師会は、診療科偏在解消に向けて、日本専門医機構が長期ビジョンに基づく適切な専門医制度を運営するよう、さらなる関与を強めていくことが必要である。

本庶氏は、報告書では任意加入での全員加盟と法的根拠に基づく加盟の両論が併記されていることを示した上で、「実効性を持たせるためには何らかの法的根拠があった方が良いのではないか」と見解を述べ、法律に基づいて全員加盟となっている日本弁護士会なども参考にしつつ、仕組みの在り方を議論していく必要があると結んだ。

次に、横倉氏は医師の偏在解消に向けて政府内でも議論が活発化していることに触れ、「日本医師会では以前からこの問題について検討してきたが、医療を取り巻く課題については、我々医師が現場の声をエビデンスにしながら、その解決に向けた議論をリードしていくことが必要だ」と強調した。また、同報告書を踏まえて、医師の偏在を含む医療における様々な問題解決に向けた議論に臨むと共に、組織力強化の観点から医師の団体の在り方について、引き続き検討していくとした。

 常任理事の釜萢敏氏は、医師の偏在解消に向けて様々な取り組みが必要だとしながらも、平成30年から開始予定の新たな専門医の仕組みによって、医師の地域・診療科偏在を解決することは難しいとの見方を示し、「専門医の仕組みについては、医師の専門性を高めるという学問的な観点から検討し、地域医療を混乱させないよう制度設計しなくてはいけない」と述べた。

 最後に、今後に関して副会長の今村聡氏は、委員会の継続は決定ではないが、それぞれの項目について議論していける体制を整えたいと述べた上で、「医師が公的医療保険制度の中で担っている役割を自律的に発揮しながら偏在対策を進めるためにも、一つの団体の中で意見を集約していくことが大切である」と締めくくった。

○医師の団体の在り方検討委員会 報告 平成29年3月 

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