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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える日本の循環器疾患の実態を調査 実施率100%を誇るJROAD 第3回

日本の循環器疾患の実態を調査 実施率100%を誇るJROAD 第3回

国立研究開発法人 国立循環器病研究センター理事長 小川久雄 氏
同 循環器病統合情報センター センター長 宮本恵宏 氏
同 研究開発基盤センター予防医学・疫学情報部 住田陽子 氏

2017.03.02 取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子
小川久雄 氏
小川久雄(おがわ ひさおお)氏
1953年生まれ。1978年 熊本大学医学部卒業。同年、熊本大学第二内科入局。1981〜1984年 国立循環器病センター(現 国立循環器病研究センター)にレジデントとして勤務。1984年 熊本大学循環器内科。2000年熊本大学循環器内科学教授。2011年〜2015年 国立循環器病研究センター副院長兼任。2016年より現職
○受賞
2013年 井村臨床研究賞
2016年 日本医師会医学賞
○所属学会
日本循環器学会代表理事(2014年4月~2016年6月)
日本心臓病学会理事 日本脈管学会副理事長 日本医学会連合理事ほか
小川久雄 氏
宮本恵宏(みやもと よしひろ)氏
1989年 京都大学医学部医学科卒業。同年、京都大学医学部附属病院内科研修医。1990年 静岡県立総合病院内科研修医。1992年 京都大学医学部附属病院第二内科医員。1997年 京都大学大学院医学研究科博士課程修了。2000年 国立循環器病センター動脈硬化代謝内科医員。2005年 同センター動脈硬化代謝内科医長、臨床研究開発部医長。2010年〜同センター予防健診部長、研究開発基盤センター予防医学・疫学情報部長。2012年〜バイオバンク副バンク長。2014年4月より現職

国立循環器病研究センターは、心臓病や脳卒中などの循環器病を対象とする高度専門医療研究施設として1977年に設立され、2010年に独立行政法人へと移行。3年後の2019年には吹田市操車場跡地へ移転する予定で、同センターを核とした医療クラスター「北大阪健康医療都市」、愛称「健都(KENTO)」は、循環器病分野の予防・医療・研究で世界をリードする地域を目指す。

50年に一度といわれるこのビッグプロジェクトには研究や治療、人材育成に加え、民間企業との連携も求められるが、その難しい舵取りを任されたのが、同センター新理事長の小川久雄氏である。

連載5回の第3回は、世界の循環器三大学会での発表、日本循環器学会の使命、そして、日本の循環器疾患診療実態については、小川久雄氏のほか、宮本恵宏氏、住田陽子氏にも加わっていただき、お話を伺った。

可能性があるなら困難でも挑戦したい
日本人では唯一、循環器世界の三大学会で発表

小川先生の活動についてお聞きしたいと思いますが、特に海外の学会でご活躍されていると伺っています。

小川 私には留学経験がありません。それは教室が小さかったためですが、海外では名が知られた日本人であると自負しています。私は若い頃からチャレンジ精神が旺盛で、可能性があるならどれほど困難でも、まず挑戦してみようと思う性格です。

その結果、世界の循環器三大学会であるAHA(米国心臓協会)、ACC(アメリカ心臓学会)、ESC(欧州心臓学会)において最も注目され、聴衆が集まる臨床研究の花形、レイト・ブレイキング・クリニカル・トライアルズ(LBCT)やHot Linesで発表しています。ここにはハーバードやオックスフォードなど一流大学からの発表が多いのですが、日本人でこれら全ての学会での本セッションで発表できたのは私だけで、世界でもわずか数十人しかいません。

また、熊本大学は田舎の大学でしたが、私は寄附講座を5つも抱えていました。こんな研究がしたいと自ら交渉して予算を取り、業績も出していましたから、目立ち過ぎて打たれることもありました。しかし、そうした取り組みについても前理事長の橋本先生は見ていて、私を国循に登用してくださったのだと思っています。

日本の循環器疾患診療実態を調査
高齢者の心不全患者の増加を把握

小川先生は、日本循環器学会(以下、日循)代表理事を2014年〜2016年まで務めていらっしゃいました。日循という組織の使命について、教えてください。

小川 日循は会員2万6000人を擁する国内有数の学会です。基礎研究の分野を中心に多くの研究費や留学助成をできる限り学会から提供して、超一流の人材を多数輩出してきました。

循環器の分野における課題とはなんでしょうか。

小川 学会が主導して日本の循環器の現状を集めるレジストリーがなく、循環器疾患の診療状況を把握することが第一だと考えていました。これまでは細々とやっていたところ、同じやるのであれば大々的にやろうと立ち上げたのがJROAD「The Japanese Registry Of All cardiac and vascular Diseases/循環器疾患診療実態」です。「日本の道」というと大げさかもしれませんが、日本の循環器専門病院を中心に実態調査を展開することを目的に、私が名付けたものです。

余談ですが、私はスタディの名前を付けることが好きで、これまでにJAMIS、JBCMI、MUSASHI、JPAD、OSCAR、一昨年はLISTEN、昨年はATTEMPTという名称を付けて発表しました。

国循に循環器病統合情報センターを開設されたのは橋本先生です。同センターには電子カルテ以外に何層にもなる完璧なセキュリティを持つ優れたシステムがあり、これを使わない手はない。ただ、日本人の面白いところで、国循がやるからデータを提供して下さいと言っても、メリットがなければ出してもらえません。そこでこれを日本循環器学会が主体となり、調査に協力してもらうことが循環器専門施設認定および更新の条件としました。

JROAD 循環器疾患 診療実態調査/日本循環器学会

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