• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える急性期から慢性期までの医療を提供する 地域で連携した心臓病診療センターの構築へ

急性期から慢性期までの医療を提供する 地域で連携した心臓病診療センターの構築へ

鳥取大学医学部 総合内科医学講座 病態情報内科学分野 教授
山本一博氏 第2回(連載3回)

2016.02.04 取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 小池雄介
山本一博 氏
山本一博(やまもと かずひろ)氏

1986年 大阪大学医学部卒業後、大阪大学医学部付属病院第一内科研修医。1987年 大阪警察病院循環器科医員。1990年 大阪大学大学院医学研究科入学、1994年 同大学院医学研究科修了。同年、米国Mayo Clinic循環器内科リサーチフェロー。1997年 大阪大学医学部付属病院医員。1998年 大阪大学医学部第一内科(講座再編により、病態情報内科、循環器内科とその後、名称変更)助手。2005年 大阪大学臨床医工学融合研究教育センター特任助教授(大阪大学大学院医学研究科循環器内科兼任)。2007年 大阪大学臨床医工学融合研究教育センター特任教授(大阪大学大学院医学研究科循環器内科兼任)。2011年7月より現職。
○専門医・資格など
日本内科学会認定内科医,日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本超音波医学会認定超音波専門医および指導医
日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
Fellow of the American College of Cardiology
Fellow of the European Society of Cardiology

 近年、急性心筋梗塞患者の救命率は、ステント留置術など経皮的冠動脈形成術(PCI)が広く行われるようになったことで飛躍的に向上した。一方、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心筋症、弁膜症、不整脈、先天性心疾患など多様な原因によって発生する心不全は、患者の高齢化が顕著となり、症状の悪化から再入院が繰り返されるなど、多くの課題が指摘されている。

 心不全については、原因となるこうした疾患を早期発見・治療するとともに、再発や悪化を防ぐための薬物治療、生活習慣の改善に努める必要がある。また、高齢者の末期心不全については濃厚な治療で無理な延命を図るより、末期がんと同様に患者の心身の苦痛を和らげつつ、安らかにその人らしい最期を迎えることを目指した緩和ケアに注目が集まっている。

 3回連載の第2回は、弁膜症や心不全の検査の流れ、心臓病医療の課題などについて、引き続き、鳥取大学医学部 総合内科医学講座 病態情報内科学分野教授の山本一博氏にお話をお伺いした。

前回は、急性心筋梗塞が疑われる場合の検査について伺いました。では、心不全の原因となる弁膜症が疑われる場合について、教えてください。

山本 心臓には右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋があり、血液はこれらの部屋を一方通行で流れていくことで全身を効率良く巡っています。

弁膜症は、右心房と右心室の間にある三尖弁、右心室と肺動脈の間にある肺動脈弁、左心房と左心室の間にある僧帽弁、左心室と大動脈の間にある大動脈弁のいずれかに形態や機能の異常があり、血液が逆流したり、スムーズに流れなくなったりする病気です。

弁膜症の場合、基本的に心臓超音波検査のみで手術の適応(必要性、妥当性)を判断することができます。手術が決まった患者に対しては、併せて心臓カテーテル検査により血行動態や冠動脈の状態を確認し、弁膜症の手術だけで良いか、バイパス手術もする必要があるかどうかなどを判断します。

同じく心不全の原因となる心筋症についてはいかがでしょうか。

山本 心臓超音波検査で左心室の動きが悪かったり、心臓の壁が厚くなっているといったように、何らかの心筋症が疑われる場合、最近ではMRIで心筋の状態がかなりわかるようになりました。最終的には心筋生検が必要となることが少なくありませんが、これまでに比べると身体に負担の少ない非侵襲的な検査で、かなり詳しい情報が得られるようになっています。

医療を変える