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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える再入院を繰り返す高齢者の心不全の予防 疾患ごとに検査や治療法を選択 第1回

再入院を繰り返す高齢者の心不全の予防 疾患ごとに検査や治療法を選択 第1回

鳥取大学医学部 総合内科医学講座 病態情報内科学分野 教授
山本一博氏 第1回(連載3回)

2016.01.28 取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 小池雄介
山本一博 氏
山本一博(やまもと かずひろ)氏

1986年 大阪大学医学部卒業後、大阪大学医学部付属病院第一内科研修医。1987年 大阪警察病院循環器科医員。1990年 大阪大学大学院医学研究科入学、1994年 同大学院医学研究科修了。同年、米国Mayo Clinic循環器内科リサーチフェロー。1997年 大阪大学医学部付属病院医員。1998年 大阪大学医学部第一内科(講座再編により、病態情報内科、循環器内科とその後、名称変更)助手。2005年 大阪大学臨床医工学融合研究教育センター特任助教授(大阪大学大学院医学研究科循環器内科兼任)。2007年 大阪大学臨床医工学融合研究教育センター特任教授(大阪大学大学院医学研究科循環器内科兼任)。2011年7月より現職。
○専門医・資格など
日本内科学会認定内科医,日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本超音波医学会認定超音波専門医および指導医
日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
Fellow of the American College of Cardiology
Fellow of the European Society of Cardiology

 近年、急性心筋梗塞患者の救命率は、ステント留置術など経皮的冠動脈形成術(PCI)が広く行われるようになったことで飛躍的に向上した。一方、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心筋症、弁膜症、不整脈、先天性心疾患など多様な原因によって発生する心不全は、患者の高齢化が顕著となり、症状の悪化から再入院が繰り返されるなど、多くの課題が指摘されている。

 心不全については、原因となるこうした疾患を早期発見・治療するとともに、再発や悪化を防ぐための薬物治療、生活習慣の改善に努める必要がある。また、高齢者の末期心不全については濃厚な治療で無理な延命を図るより、末期がんと同様に患者の心身の苦痛を和らげつつ、安らかにその人らしい最期を迎えることを目指した緩和ケアに注目が集まっている。

 3回連載の第1回は、鳥取大学医学部 総合内科医学講座 病態情報内科学分野教授の山本一博氏に、心不全の原因となる様々な疾患をどのような検査で診断し、治療方針の決定に役立てているのかなどについて、お話をお伺いした。

心電図検査、超音波検査で
疾患の形態や機能の異常を発見

はじめに、山本先生のご専門である心臓超音波検査について教えてください。

山本 心臓の病気が疑われる症状を訴えて受診された場合、私たちは問診でどのような症状がいつ頃から起こっているのかなどを詳しくうかがった上で身体所見をとり、通常はまず心電図検査、胸部X線、心臓超音波検査を行ないます。

心臓超音波検査は、胸の上から探触子(プローブ)と呼ばれる小型の装置をあてて、そこから超音波を出し、心臓に当たってはね返ってきた反射波を受信することによって心臓の形態、機能、血流などを調べる検査です。患者さんが放射線被ばくなどの健康被害を心配することなく、治療方針を決定する上で役立つ情報が得られる利点があります。

通常、行われるのは胸の上からプローブを当てる経胸壁エコーですが、ケースによっては臓器や骨が重なって見えにくいところがあり、その場合、食道に入れたプローブにより心臓を裏側から診る経食道エコーを行ないます。また、まだ一般的とはいえませんが、心臓の中に小さなブローブを入れて心室や心房などの形態や機能などをみる心腔内エコーも開発されています。

日本では、以前から狭心症や心筋梗塞が疑われる場合、冠動脈の中に挿入した直径1mm以下の細いプローブにより血管の内側から動脈硬化の進み具合をリアルタイムで調べたり、PCIの際に留置するステントのサイズを決めたりするため血管内超音波検査(IVUS:アイバス)が利用されており、PCIの治療成績向上に役立っていると指摘されています。

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