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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページトップインタビュー超高齢社会に求められる医療 「質の高い医療」を提供し続けるためには 第1回

超高齢社会に求められる医療 「質の高い医療」を提供し続けるためには 第1回

国立循環器病研究センター理事長 橋本信夫 氏
ボストン・サイエンティフィック コーポレーションCEO
マイク・マホーニー氏

2015.10.07 取材:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子

超高齢化社会を迎えた我が国では、医療財源の不足、全身疾患を抱える高齢患者の激増、多死の到来など、医療を取り巻く環境は厳しさを増している。こうした中で、「質の高い医療」を提供し続けるためには、何が必要なのか。

脳血管と心臓血管の両部門を併設し、世界的にも稀有なナショナルセンターとして、最先端の研究と臨床を手がける国立循環器病研究センター。1979年の創業以来、低浸襲治療(インターベンション)に特化し、革新的な製品を送り出してきた医療機器メーカー、ボストン・サイエンティフィック。共に世界中の患者のQOL向上、患者への貢献を理念とする同センター理事長の橋本信夫氏と、同社CEOのマイク・マホーニー氏に対談していただいた。

連載の第1回は、質の高い医療を提供し続けるために何をすべきか、また患者のQOLを落とさないためにどんな医療が必要なのかなどについて、語っていただいた。

「質の高い医療」提供のために
効率化と医療機関の再編を

橋本  日本は皆保険制度の下、フリーアクセス、ハイクオリティ、ローコストの医療体制を保持してきました。しかし、高齢化や医療技術の進歩が加速する中で、これらを同時に実現することは難しくなっています。この先も「質の高い医療」を提供するためには、各病院が効率化を図り、地域における医療機関の再編が必要です。

そのポイントは3つあり、第1は地域におけるハブ&スポークの構築。これは基幹病院(ハブ)が連携する病院(スポーク)をオーガナイズすること。第2に、全国どの病院でも同じクオリティを保つために、ITを駆使したテレメディスン(遠隔医療)を構築すること。そして、第3が医療情報のクラウド化です。

2013年6月、当センターは移転建替を決定しました。「メディカル・ベースト・タウン」というコンセプトの下、病院と研究所が一体化した新センターを核に市民病院を隣接。スーパーマーケットや健康関連の商業複合施設のほか、住宅地や高齢者のケア施設も設置します。また、新センターを囲むように企業や研究所を誘致し、全体を1つのエリアとして構成します。さらに新センター内にはオープン・イノベーション・センターを創り、企業や他の研究機関との連携・促進を図ります。

マホーニー  橋本先生の構想と、その推進力に非常に感銘を受けました。脳神経外科手術や大動脈弁置換術などの治療は拠点病院に集約させ、他病院とはシステムで連携し、高度医療の重複を省くことで効率化させるという考え方は素晴らしいと思います。この取り組みは世界の規範になると思いますし、とてもエキサイティングです。

橋本  問題は、新センターと市民病院、この全く異なる2つの病院をどう連携させるのか。2病院だけでなく、他の病院でもそれぞれインセンティブが違うため、そこをどう乗り越えるかです。これは1つの実験ですが、実現すれば日本全体の医療機関再編のヒントになるのではないかと考えています。

そして、その思いから新センターの方向性を、「Beyondthe cutting edge(最先端のその先へ)」と定めました。私は、この言葉の中に「Over the rainbow」、もう少し夢を持ちたいと思っています。すなわち最先端に行けば解決すべき課題が見える、最先端に行かない限り何が問題かを知ることはできない。だからこそ我々は最先端に行かねばならないという決意を込めています。

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