• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

人を組み替える

2016.04.22

「相手の意識」を読み取りながら話をする

高石 宏輔

場の空気を変える「もの」コレクション

コミュニケーション 感情 意識改革

場の空気を変える「もの」コレクション
人に何かを伝えようと話をする時、話す内容にばかり気を取られてはいないでしょうか。話をしながら、聞き手である相手の意識を読むことで、話の仕方はより良いものへと変えていくことができます。

話したいことは自然に生まれてくるもの

前回、相手の話を聞きながら、聞き手がどこに意識を向けているか、そのバリエーションについて書きました。今回は話しているとき、相手にどのように意識を向けることができるか、ということを書きます。

何を話すか、どう話すか、そうしたことは、考えなくともその場になれば自然と生まれてくるものです。自分の知識や経験から、その場に応じて自ずと紡ぎ出されていきます。

僕は仕事柄、「私は人と話すのが苦手で、何を話していいのかわからないんです」と言う人に出会う機会が多いです。しかしそういう人に限って、こちらが聞かなくとも、これまでの自分の生い立ちや人付き合いについて、どう考えているのかをとめどなくお話しされます。

また、見方を変えれば、黙り込んでしまっている人でさえ雄弁に見えます。そういう人に限って、口には出しませんが、心の中でたくさんのことを考えている様子が伝わってきます。

話したいことは誰にでもあるのだと思います。溜まりに溜まってしまった場合、相手のことを見ずに一気に話してしまわないと気が済まないこともあるでしょう。溜まり過ぎて、相手に促してもらえないと吐き出せないということもあるかもしれません。それらは自然なことです。ただ、もし相手にきちんと伝えたいとか、意見を聞きたいと思っている場合、話しながら相手の意識を読めるとスムーズに会話ができます。

話をきちんと届けるために、聞き手の意識を読む

話を聞いている相手の意識を読むためには、まず話しているときに、自分がどこに意識を向けているかを知る必要があります。相手の反応を見るために、共感的に相手へ意識が向けられているでしょうか。

例えば、自分が矢継ぎ早に話をし続けてしまっているとき、意識は自分の考えに向いています。そういう人は自分の話をし切ってしまわないと気が済みません。よく他人が話し始めようとするのを遮ってまで話し続ける人がいますが、まさにそれです。慣れないうちは合間合間でも良いので、相手がどんな表情で反応しているのかを見ることができると、相手に対して共感的な意識の向け方ができるようになります。

次に、共感的な意識の向け方をした上で、相手をどう見るかについて書いていきます。

相手の反応別、意識の読み取り方

前回の記事の通り、話を聞いている人はどこかに意識が向いています。自分が話したいことを話しながらも、相手の意識がどこに向いているのかを感じられると、聞き手に自分の話を心地よく聞いてもらえたり、それを聞いて思ったこと、感じたことを話してもらいやすくなります。

次にいくつか聞き手の反応の具体的な例と、その時に相手が感じていること、こちらが気をつけるべきことを挙げます。ただし、聞き手が感じていることは必ずしもこの通りであるとは限りません。参考程度にしていただければと思います。

・自分が話しているのを聞きながら、相手は少し目線を下に向けていて、「なるほど」と呟いた

話を聞きながら、自身の経験を思い出して、そのときの気持ちも味わっているのかもしれません。そういうときは、相手がゆっくり感じているのに合わせて、話を急いで先に展開させないようにしたり、沈黙を作ったりして、相手が感じているのに合わせます。気持ちを感じながら何かを思い出しているとき、それを堪能するにはゆったりとした時間が必要です。相手を急かさないようなタイミングで「何か思うことがありますか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。

・こちらから目を全くそらさずに聞いていて、こちらの話の合間に自分より少し高い声、早いペースで「なるほどなるほど」と相槌を打った

相手はこちらの話に共感していないかもしれません。話している内容の情報だけを把握するように努め、早く終わらせて欲しいと思っているのかもしれません。気持ちを込めず頭だけで聞いている印象です。もし相手の気持ちを聞いたり、より集中して聞いて欲しいときには、「どう“なるほど”って思いました?」と聞くと良いかもしれません。

・眉を寄せ、難しい顔をしている

話は聞いているし、気持ちも込もっていますが、自分とは違う感情的な考えが浮かんでいるのかもしれません。「何か引っかかることがありますか?」と聞くと、言いたいと思っていることを言ってくれるかもしれません。

相手の話を聞いているときと同様、話をしているときに相手をどれだけ見るかということも、自然とそうなるものです。自分の話がしたい人、意見を押しつけたい人には、そうしたくなるだけのフラストレーションや欲求があるからそうなってしまうものです。抑えつけたところでうまくいくことはあまりないように思います。今回の、話しながら相手をどれだけ見ることができるかということも、前回同様、話し終わった後に振り返って反省してみると、次第に自分がしたいようにできるようになります。

併せて読みたい、編集部からのおすすめ記事
話を聞く時の「自分の意識」の使い方

「聞き上手」と言われる人は、どんな話の聞き方をしているのでしょうか。今回は話の聞き方を左右する「自分の意識」の使い方を学びます。

プロフィール

高石 宏輔 (たかいし ひろすけ)

1980年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文専攻中退。在学中よりカウンセリングのトレーニングを受け、セミナー講師を務める。スカウトマンを経てカウンセラーとして活動を開始。クライアントからの要望により、路上ナンパ講習も始める。著書に『あなたは、なぜ、つながれないのか──ラポールと身体知』(春秋社)、共著に『「絶望の時代」の希望の恋愛学』(中経出版)。