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モノと道具を再構築する

2015.06.11

社員の“誇り”をデザインしてくれる、味方にしたい“表現者”

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

デザイン 成長戦略 モチベーション

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

働くなら、やはりその会社に誇りを感じながら働いてもらいたいものだ。動機付けが高まれば当然、アウトプットも高まることになる。その“誇り”をデザインするにあたり、経営者として味方に付けてもらいたい二人の仕事人がいる。

一人は建築家およびデザイナー、かなり右脳の人材だ。経営者が思い描くビジョンを、ポスターや建築物といった現実の出力へと具現化してくれる人。もう一人はコピーライター。経営者が皆に語りかけたいこと、マーケットに主張したいことを、きちんと相手が理解できる言葉に変換してくれる翻訳者だ。

リクルートという会社は、かなり早い時期から亀倉雄策さんというグラフィックデザイナーに出会っていた。東京オリンピックのポスターや、大阪万博のポスターなどもデザインされている、日本有数のグラフィックデザイナーだ。

当時のリクルートの「カモメ」をイメージさせるロゴマークも、その亀倉先生にデザインしていただいたものだった(2012年には現在のロゴマークに変更された)。スキーに造詣の深い亀倉先生がスイスに赴いたとき、白いカモメのような鳥が青い大空を飛んでいるのを目にして、「これからのリクルートのイメージは、これではないか」とデザインしたそうだ。以来、亀倉先生にはリクルートブックなどの情報誌や表紙など、様々なものをデザインしてもらうことになる。

銀座8丁目に本社ビルを建てたときには、外観にガラスを基調とした透明感のあるデザインコンセプトを打ち出して話題になった。また、安比高原スキー場をリクルートがプロデュースした際には、スキー場のランドスケープを含め、一緒に建設するホテルのデザインにまでかかわっていた。

そのような“表現者”とタッグを組むことができると、経営者がこの世に残すものへ優れた美的センスが加わることになる。統一感のある優れたデザインに、社員は誇りを感じるものだ。会社のロゴマークから、様々な商品のデザインまで、CDO(Chief design officer)と呼ばれるような人たちを味方に付けておくことを、お勧めしておきたい。

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プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。