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人を組み替える

2015.05.21

あなたの会社の“象徴”を探すために

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

アイデア イノベーション 意識改革

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

社員の意識を一瞬にして変えるための“ツボ”とは何か。「象徴(シンボル)のマネジメント」と題して、三つのケースをご紹介してきた。

ケース2では、「レベルの違う技術者を取りたい」というニーズのために、スーパーコンピューターを購入したリクルートの例をご紹介した。当時、まだ日本では誰も使っていない1台20億円近いマシンを2台も導入したものだから、新聞の一面も飾り、優秀な技術者も集まり、結果として十分に元が取れることになった。

ケース3では、私自身が「開かれた学校」を目指した経験を元に、閉ざされた校長室を文字通り「開け放った」事例をご紹介した。校長室というのは本当に閉ざされたもので、普通の人はほとんど記憶に無いはずだ。あるとすれば、何か“やんちゃ”して怒られた経験のある人かもしれない。校長室に呼ばれてドアを開けたら、中でお母さんが泣いているというイメージ。こういう空間を、「逆転の発想」でポジティブなことに使えないかと考えていくと、目に見える変化を生み出すことが可能になる。

ぜひ、あなたの会社でもスーパーコンピューターや校長室にかわるもの、つまり「象徴(シンボル)」とすべきものは何なのか、それぞれに考えてもらいたいと思うが、ここで一つ強調しておきたいことは、こういった演出を効かせるためには、会社のビジネスシステム自体がしっかりしていないと実行できないということだ。

もちろんリクルートの例でもそうだが、収益を上げる構造がしっかりしていないと、そういったことにお金はかけられない。今、典型的な企業として挙げられるのはグーグルだろう。ビジネスシステムがしっかりした上でこそ、様々な演出が効果を上げ、話題を呼ぶことになる。

ここで2冊だけ、書籍を紹介しておきたいと思う。グーグルのエリック・シュミットの『第五の権力』と、アマゾンのジェフ・ベゾズの『果てなき野望』という本だ。この2冊から学ぶべきは、自社のビジネスシステムをどうやって強化するのか、顧客の経験(エクスペリエンス)に徹底的に焦点を絞るとはどういうことなのか、という点だ。

そして、ネットによって未来の社会はどう変わるのか。現在、世界で20億人が手にしているケータイが、あと10年たってスマホで50億人がつながると、社会がどう変わるのか、国はどうなるのか。非常に興味深い未来像が提示されている。この二つの書籍はビジネスパーソン必読の書だと思うので、ぜひ読んでいただきたい。

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プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。