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人を組み替える

2015.05.12

象徴のマネジメント──case 1「人事が万事」

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

方法論 組織 人事

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

社員の意識を変えたい、会社の風土を変えたいと願う経営者は多い。そんなときは局地戦であれこれ策を練るよりも一点突破。たった一つの象徴的な施策をもって、関係者の意識がたちどころに変わるようなマネジメント──名付けて「象徴(シンボル)のマネジメント」をお勧めしたい。これは社員に意識変革を促す“ツボ”となる部分であり、リクルートでは経営の根幹を成す考え方ともいえる。ぜひ学んでいただきたい。

まず今回は一つ目のケース。これから会社にとって、人事がいちばん重要な経営課題になるという場合。「人事を変えたい」「採用がいちばん大事」「優秀な人を採用したい」といったニーズは、多くの会社で見られるはずだ。その際、あなたが一つだけアクションを起こせるとしたら、どういった“象徴”的な施策が考えられるだろうか。

正月に全社員を集めて訓示をたれたり、それを社内報に書いたりというような、あれもこれもといった細かい施策の話ではない。たった一つの経営的アクション、それだけで社員の意識ががらりと変わるようなアクションを考えてほしい。まずは15秒ほどで考えてみてもらえるだろうか。

 

人事や採用の予算を増やしたり、オフィス環境の改善を検討したり、考え方は無限にあるだろう。リクルートでは、営業所長の業績に目を付けた。その業績コンペで一番になった人、つまり最も営業力のある人を、翌年から人事・採用の課長に任命することにしたのだ。これは「人事が一番」ということに他ならない。誰が人材の採用や教育を仕切ることになったのかを知れば、「これからは人事が重要なのだ」と全社員の意識が一瞬にして変わる。

従業員の間では、誰がどこへ異動して誰が偉くなったかといった口コミ情報が、非常に流通しているものだ。象徴的なマネジメントを狙う際、こういった象徴的な人事というものは非常に効果がある。その重要性に気付き、ぜひ活用してもらいたい。

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社内のコミュニケーションレベルが上がり、アイデアも豊富でイノベーションが日常的に起こるようになれば、経営者やマネージャーの評価も自ずと上がっていく。しかし、人望という点ではどうだろうか。今回は、人望ある経営者なら持っている資質について、三つにまとめてみた。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。