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人を組み替える

2015.04.16

【問3】結婚、家族……人生のあらゆる局面に「ベクトルの和」を応用しなさい

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

社会 コミュニケーション 多様性

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

前々回から、会社と個人自分と仕事といった関係性における「ベクトルの和」という考え方をお話ししてきた。もちろん、この考え方は仕事だけにかかわらず、皆さんの私生活全般にも応用できる。

例えば結婚。多くの若い人たちが正解主義で相手を探しているようなところが見受けられる。小中高と、ずっと正解ありきで教えられてきた人たちが、「正解がある」という前提で結婚相手を探し続けていたりはしないだろうか。

正解があるという前提で、それを早く正確に当てる“情報処理力”だけを競ってきた人たちは、会社選びでも、結婚相手探しでも、どこかに正解があるはずだと考えてしまう。「この人は正解じゃない」なんてことを考え続けていると、いつまでも結婚できなかったりする。

思うに結婚とは、お互いに正解だと思った者同士が結びつくものではない。あらゆる可能性を探り、合理的に最適な相手を選び出した人などいるだろうか。誰もが、様々な偶然が重なり合ったうえでの出会いを経て、予定調和ではない人生をともに歩もうと心に決め、結婚に至る。

そして結婚した後でも、夫婦の生活の形に模範解答などない。人々の価値観が多様化した成熟社会においては、なおさら夫と妻のベクトルがそれぞれ違った方向へと向いていて当たり前だ。それに対して「ベクトルの和」を求めるように平行四辺形を描き、和が最大になるような対角線の位置に二人の“ツボ”を探し出す。こんな共同作業を、日々続けられれば良いと思う。結婚して夫婦生活を続けるということも、不断のベクトル合わせに他ならないのだから。

正解となる相手を青い鳥のように探していては、なかなか報われないだろう。そんな人たちにも、「ベクトルの和」という考え方は人生のあらゆる局面で使えるものなので、ぜひ応用してもらいたいと思う。

併せて読みたい、編集部からのおすすめ記事
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結婚の形態は重要ではない。夫婦とは、関係を構築することである。お互いを愛し合い、相手の気持ちになって考えて行動することが、夫婦にとって何よりも大切なのだと思う。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。