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人を組み替える

2015.04.14

【問2】正解なき就活において、自分と仕事の“ベクトル”を描きなさい

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

成長戦略 コミュニケーション 社会

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

前回は、会社と個人の「ベクトルの和」についてお話しした。両者のベクトルの和となる対角線を描くことが、社内を活性化させるツボを見いだすことになる。会社における“仕事”というものは、そういった不断のベクトル合わせなのだ。同様の意識をすべての従業員が共有していれば、社内のコミュニケーションレベルは格段に上がる。

以前にも書いたように、日本では「正解主義」の教育が根強く続いてきた。小中高と正解ありきの四択問題などで鍛え続けられた学生たちは、いざ社会に出ようというときにも「3社内定しましたが、どこを選ぶのが正解でしょうか?」などと人に聞いたりしてしまう。この成熟社会において、正解なんてあるわけがないということを早めに教えてあげる必要がある。

自分自身が成長していくことによって視点も高くなり、視野も広まり、今まで見えなかったものが見えるようになる。それと同じように、もちろん企業も常に変化し続けている。そして変化するもの同士が、無限に考えられる組み合わせのなかで、日々常にベクトル合わせをし続ける。仕事とはそういうものだ。

自分にとって正解となる仕事がどこかにあって、それを選べば完了というものではない。自分を仕事に合わせたり、仕事を自分に合わせたりしながら、皆が日々模索している。決して同じ方向を向いているわけではない二つのベクトルから、お互いを最大限に活性化できる「ベクトルの和」を見いだす姿勢が大切だ。明快な単一の答えではなくとも、自分も夢中になって働き、それが会社への貢献にもつながる“ツボ”となるようなポイントは必ずどこかにある。

「こっちの仕事は合わない」「こっちの仕事が合ってる」と既製品を購入するようなつもりでは、仕事とは言えない。与えられて行うものは“作業”に過ぎない。自分から取り組むものを“仕事”という。そして、あなたの会社の従業員にも作業ではなく仕事をしてもらいたいとき、「ベクトルの和」という考え方でコミュニケーションをとることが非常に重要となる。常に心がけてほしいと思う。

併せて読みたい、編集部からのおすすめ記事
【問1】会社と従業員の“ベクトルの和”を求めよ

コミュニケーションという見地から考えるとき、会社も個人もある方向にベクトルを持ったエネルギー体だと考えると、目指すべき方向をイメージしやすくなる。会社とは、ある“方向”と“大きさ”を持った巨大なベクトルだ。そして個人も、自分の志向によって何かを成し遂げようとするベクトルに他ならない。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。