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人を組み替える

2015.05.28

男脳と女脳──女性にアドバイスすると、なぜ怒りを買うのか

米山 公啓

脳に学ぶ経営戦略

コミュニケーション 女性

女性が会社に対して愚痴を言っているとき、それを聞いた男性は「そんな会社、やめちゃえよ」などと言いがちである。それを聞いた女性は「そんなことを言って欲しくないの」と言い出す。アドバイスしたと思った男性は、なぜ女性が怒り出したのか分からないままだ。

男脳で考えて良かれと思って言ったことが、女脳で考えると決して解決にはならないという不条理な状況が起こる。これは日常的に起きていることだ。いったい何がいけないのだろうか。

脳の構造の違いはごくわずか

肉眼的に脳を見て、男女の区別はほとんどできない。わずかな違いがあるとすれば、左右の脳をつないでいる脳梁と呼ばれる部分の後ろ側が、女性のほうは少し大きい。この違いによって、女性は左右の脳を広く使い、男性は右脳的な追求型の脳の使い方をする。その結果が様々な行動の違い、発言の違いになってくると考えられる。

広く脳を使う女脳

女性は左右の脳を使いながら会話するが、男性は言語中枢のある左脳を使う。これはリアルタイムで脳内血流を見るfMRI(機能的MRI)が使えるようになって分かってきたことだ。

そのために、女性は会話をしながらも広く情報を取り入れて会話すると考えられる。だから会話の内容がどんどん飛んでいくことになる。つまり、女性にとって会話は結論を出す手段ではなく、あくまでもコミュニケーションのための方法である。

一方、男性はどうしても会話といっても、そこに意味を見いだそうとするし、会話には結論がなければいけないと考えてしまう。

結論を出したい男脳

脳内物質の一つであるテストステロンの影響もあって、男性は相手を論破する、あるは結論を出すことに意味を見いだそうとする。

女性から相談を受ければ、そこにはっきりしたアドバイスを出すことに意味があると思い、つい言い切ってしまったり、結論を出してしまうことになる。アドバイスをしながらも、実は自分の優位性を示そうとする意識が働いてしまうわけだ。

女脳が欲しいのは答えではない

女性の相談や悩み事において、欲しいのは答えではなく“共感”だ。「大変だね」の一言があれば、女脳は救われるのだ。

しかし、男性はなかなかその「大変だね」が言えない。どうしてそこで躊躇するのか、理解できない相手が悪いと判断して、早く行動を起こし、結論を出すほうが正しいと思ってしまうのだ。そこにも追求型の脳の特徴がある。

男脳のメリットも活かす

女性への共感がしにくい脳も、仕事では有利に働く。あるものを徹底的に改良していく、例えば「100グラム以下にする」といった数値目標があれば、それに向かって努力できるのも男脳の特徴である。

女脳を男脳で理解することは、かなり難しい話である。だから、男脳では理解できないものがあることを知っているかどうか、そこが重要と言えるだろう。

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プロフィール

米山 公啓 (よねやま きみひろ)

1952年山梨県生まれ。作家、神経内科医。元聖マリアンナ医科大学第2内科助教授。現在までに280冊以上を上梓。講演会、テレビ・ラジオ出演、テレビ番組企画・監修なども行う。日本老年学会評議員、日本脳卒中学会評議員、日本ブレインヘルス協会理事。