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人を組み替える

2016.04.04

浮気の虫は抑えることができるものか──浮気の脳科学

米山 公啓

脳に学ぶ経営戦略

感情 危機管理

浮気は男女の間では永遠のテーマであり、常に問題になることだ。相変わらずテレビでもいろいろ問題になっている。

浮気と脳の働き

人間の欲望のままにまかせれば、暴力や犯罪が起きてしまい社会が成り立たない。だから先進国では一夫一婦制という結論に達しているということだろう。そんなことは十分にわかっていても、浮気は起きてしまう。男性は自分の子孫をたくさん残すのが本能なので、浮気をしたくなるのだという意見は昔からある。

クーリッジ効果(カルビン・クーリッジが大統領だった時の有名な小噺が由来)というものがあって、オスは新しいメスに対して興奮の回復を示すということが実験的にもわかっている。これはドーパミンの分泌増加が大脳辺縁系に作用することが原因とされる。しかし実は、メスにもこれと同じような現象が見られるのだ。

実際、最近の調査では、妻の浮気は6人に1人、夫の浮気は5人に1人という報告がある。つまり、浮気は男性特有のものであり、子孫を残す欲求が強いからではなく、男女同じようにみられる本能的なものだと考えるべきだろう。男性の浮気が問題にされるのは、ただ男性のほうがそのチャンスが多いということに過ぎないのかもしれない。

なぜ浮気のリスクを冒すのか

社会的なリスクも高いはずなのに、なぜ浮気をしてしまうのだろうか。

人間の行動であるから、やはりそこには脳の機能が影響している。恋愛をしているとき、男性の脳の島皮質(とうひしつ)と呼ばれる場所が活発に活動することがわかっている。この島皮質の前部が過剰に活動すると、リスクの高いことを好むようになる。ギャンブルにはまってしまう場合もここが関係してくる。

人間の性的な欲求も含め、何かをしたいと思うとき、辺縁系にある帯状回が関係して、具体的な行動は大脳皮質(理性)が考えることになる。つまり、島皮質や辺緑系という欲望を作り出す本能的な部分と、それをコントロールする大脳皮質(理性)との戦いの結果が、その人の行動となるわけだ。

だから島皮質が過剰に活動してしまうと、浮気は危険であるとわかっていながら、理性でコントロールできずに実行してしまう。これが浮気行動と脳の関係なのだ。リスクを非常に好む状態になっていると、危険だからとか、手に入り難いものだとか、その状況が厳しくなればなるほど、逆に欲望が強くなってしまう。

結果として、社会的に非難を浴びる結果となるが、逆に言えばそれくらいリスクがあるからこそ、そこに魅力を感じてしまう脳になっているということであろう。哀しいかな、社会的な地位や経済的な豊かさがあればあるほど、そういったリスクを好む脳に変化していきやすく、大きな失敗をしてしまう危険がある。

残念ながら男性は島皮質の働きが女性よりも強いので、浮気に走りやすいということでもある。

リスクを好む脳をどう使いこなすか

仕事がうまくいっていると、もっとリスクのあること、つまり社会的な地位を失いかねないリスクの高い浮気に走りやすくなる。だから、その危機を脱するには、仕事の目標をさらに上げて、リスクがあってもその方向に進むようにすればよい。目先の仕事がうまくいき満足してしまっていると、島皮質がリスクのある違う方向に脳をコントロールしかねない。

また、理性的な脳を取り戻すためにも、大脳皮質の働きをしっかり保っておく必要がある。ストレスを早めに解消して、大脳皮質に余裕を持たせておくことも重要であろう。

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プロフィール

米山 公啓 (よねやま きみひろ)

1952年山梨県生まれ。作家、神経内科医。元聖マリアンナ医科大学第2内科助教授。現在までに280冊以上を上梓。講演会、テレビ・ラジオ出演、テレビ番組企画・監修なども行う。日本老年学会評議員、日本脳卒中学会評議員、日本ブレインヘルス協会理事。