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ワクスタの視点

一般職から設計部の室長へ、受賞作が転機に

清水建設・鳥山亜紀さんのケース

清水建設設計本部医療福祉プロジェクト設計室長・鳥山亜紀さん(写真:アバンギャルド)

 まだまだ男性の割合が多い建設業界の中で、女性ながらに室長として活躍している鳥山亜紀さん。同社では女性2人目の部長職として、設計本部の医療福祉プロジェクト設計室を束ねている。鳥山さんが入社したのは、男女雇用機会均等法が施行された翌年の1987年。まだまだ女性が活躍する土壌は整っていなかったはず。その苦労と乗り越え方とは――。

総合職あきらめ入社、「くじらホスピタル」が転機に

 大学では工学部建築学科を卒業し、大学院でも建築学を専攻した鳥山さん。ところが、清水建設に入社したのは、一般職としてだった。総合職を希望していたものの、当時女性の採用は現実的には厳しく、一般職として入社した。

 設計本部に所属となり、入社後3年目に転換試験を受けて総合職に。鳥山さんより前にも総合職になった女性がいたのは心強かった。

 「先輩を見て、設計は女性が活躍できる場だと考えました。実際、実力が目に見えやすいので、男女関係なく力量が発揮できる分野だと思っています」

 それでも、女性ならではのやりづらさはあったに違いない。当時、脚光を浴びやすい案件が回ってくることはなかなかなかった。「女性」という枠を取り払う転機となったのは、2006年に手がけた「くじらホスピタル」だ。

鳥山さんが手がけたくじらホスピタル(写真提供:清水建設)

 東京都江東区にある「くじらホスピタル」は、人格障害、摂食障害などの入院治療を専門としながらも、それまでの心療内科や精神科のイメージを覆し、患者の意思を尊重する一般病院として設立された。「静かに安心して過ごせること」を第一に考えた施設・病室づくりなどが高く評価され、医療福祉建築賞を受賞。ほかに、休憩所のサインが第40回日本サインデザイン賞を受賞した。

 「建設業界として大きな案件ではなかったかもしれませんが、ホスピタリティを重視した心療内科専門の病院として先駆けでした。世の中に認められ、いくつかの賞をいただいたことで、『いいものを作れる人間』の一人として、自分も認めてもらえた気がします」

 その後、より『実力が磨ける』案件を担当させてもらえるようになり、2009年に手がけた「聖路加産科クリニック」(東京・中央)でも多くの賞を受賞した。

 「実力がしっかりと目に見えた形にならないと、なかなか任せてはもらえません。それは男性も同じ。お客様は非常に大きなお金を託すことになるわけで、男女関係なく『この人で大丈夫だろうか?』と疑いを持ったら頼めませんよね」

 顧客に信頼してもらうためには、「誰かが見ていてくれるはず」と人任せにしたり、「誰も見てくれていない」と嘆いたりする前に、実力を示す方法を見つけ出す必要があるのだ。

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