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テレワーク最前線

サボリ、孤立を防止するIT活用術

在宅勤務の懸念を解消

 「2020年には、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者の10%以上とする」。2013年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」では、女性の継続就業率向上などの狙いから、在宅勤務を国家を挙げて推進していく方針が打ち出された。

 とはいえ、在宅勤務制度を運用していくうえではハードルも多い。懸念として大きいのが生産性の低下だ。「上司や同僚の目が行き届かないと、仕事をさぼるのではないか」「仲間とのコミュニケーションが減って、モチベーションが下がるのではないか」といった心配がある。

 こうした課題を乗り越えるヒントを、テレワークマネジメント(東京・千代田)の田澤由利代表取締役に聞いた。在宅勤務導入のコンサルティングに携わり、自身の会社でも社員の在宅勤務を推奨している。

【解決策1】成果でなくあえて時間で管理

 在宅勤務を導入する企業の多くが頭を悩ませるのが、勤務時間の管理。勤務開始、終了時刻をメールや電話で上司に知らせるケースが多いが、姿が見えなければ厳密な時間管理は難しい。そのため、時間ではなく仕事の「成果」で従業員を管理しようとする企業も増えている。例えば「人事評価が前期を下回ったら、在宅勤務の許可を取り消す」といった具合だ。

 こうした動きに田澤氏は否定的だ。「仕事の成果を従来以上に上げることを在宅勤務の条件にすると、夜中まで働くといった長時間労働を助長する恐れもある」。また在宅勤務へのニーズの高い、子育て中の女性社員に「従来以上の成果」を求めることは過度なプレッシャーを与えるとも懸念する。「時間による管理を維持しつつ、在宅勤務時の労働時間をより正確に把握する仕組みが必要」と話す。

 そのために田澤氏が企画して自社に導入したのが「F-chair(Fチェア)」と呼ぶ在宅勤務向け社員管理システム。一般的な出退勤管理システムでは、「出社」と「退社」を登録するのは1日1回ずつ。これに対してFチェアでは、パソコンに表示した「着席」「退席」のボタンを、1日何度でも押せる。休憩や家事などで仕事を離れるたびに退席ボタンを押し、勤務時間を細かく記録。1日の所定労働時間に達するまで働く。

【解決策2】画面モニタリングで「サボリ」防止

 ただしこれだけでは「着席状態なのに仕事をせずサボっている」という可能性は払しょくできない。そこで役立つのがFチェアの「画面モニタリング」機能だ。

在宅勤務者のパソコンの画面をキャプチャーし、仕事に取り組んでいるかをチェックする(社員管理システム「Fチェア」の画面例)

 着席状態にある社員のパソコンの画面を、ランダムに自動キャプチャーして画像を保存する。例えば文書作成などの仕事に取り組んでいるはずなのに、何時間たっても画面が一向に変わらなければ、仕事以外のことをしている可能性がある。明らかに仕事に関係ないウェブサイトなどを閲覧した跡があれば、注意する必要がある。

 社員から「監視している」と受け取られるリスクもあるが、「部下からは好評」と田澤氏。きちんと仕事に取り組んでいる姿勢を上司に示せるので、安心できるという。行動を記録することで社員へのけん制機能が働き、緊張感が持続する効果もある。オフィスで仕事をしている際に、パソコンの画面を後ろからのぞきこまれるのと、同じような状況といえそうだ。

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