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リポート

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「京都スマートシティエキスポ2017」リポート

日本の地方都市の実情に合うICTプラットフォームを

東京大学大学院情報学環 教授 越塚 登氏

柏崎 吉一=エクリュ【2017.11.1】

「京都スマートシティエキスポ2017」(会場:けいはんなオープンイノベーションセンターほか)の2日目となる9月29日、「スマートシティプラットフォーム”CPaaS.io”による都市課題の解決」と題するセッションが行われた。

スマートシティプラットフォーム「CPaaS.io」とは

越塚氏の講演の様子(写真:直江 竜也)
[画像のクリックで拡大表示]
スマートシティプラットフォーム「CPaaS.io」のウェブサイト

 「CPaaS.io(シーパース・アイオー)」とは、「City Platform As A Services - Integrated and Open」の略語で、「統合化されたオープン・シティ・プラットフォーム・アズ・ア・サービス」を指す用語だ。横須賀テレコムリサーチパークを日本側の代表研究者として、東京大学大学院情報学環坂村・越塚研究室(当時。現・越塚研究室)らが参画して2016年7月に日欧共同での研究開発を開始した。

 ここでいうプラットフォームとは、都市や企業がその上で新たなアプリケーションを構築して、新たな市民サービスの提供を可能とする統合的なICT環境を指す。東京大学大学院情報学環教授の越塚登氏は「スマートシティの推進において重要な役割を果たす」と述べる。

 CPaaS.ioにおける目標は6つある。(1)オープンなソーシャル・シティ・プラットフォームの開発、(2)サービスソリューションとしてのシティ・プラットフォームの利用、(3)住民へのデータ管理権限の付与、(4)プラットフォームのユースケースが公共的価値をもたらすことの実証、(5)他都市へのソリューションの適用・応用に向けた将来構想の策定、(6)都市にインパクトをもたらす、というものだ。

 IoTやリンクトオープンデータ(LOD:ウェブの技術を利用した処理に適するオープンデータ)を活用した都市における諸課題を実践的に解決することを目指して研究を行っている。越塚氏は、都市でこうしたプラットフォームを実装する場合の課題を2つ指摘した。

 「IoTとオープンデータの観点に加えて、都市の中で暮らす個人のプライベートなデータをいかに扱っていくか、すなわちPDS(Personal Data Store)の視点が近年ますます重要になっている。その理由は、従来のように政府や自治体だけが公的なサービスを開発・提供するだけでなく、サービスを利用する市民・企業もつくっていかなければ、財政的に立ち行かなくなるためだ。サービス開発に必要なデータの適切な公開や共通のプラットフォームが不可欠となる」(越塚氏)。

 PDSとは、サービスを利用する市民自ら自身のデータおよびその利用を他者が求める際の同意の有無などを主体的に管理していく「MyData」という欧州発祥の考え方に基づく仕組みだ。

 また、推進にあたって“スマートシティ”を進めるには、その国や地域の実情を反映しなければならないと、越塚氏は強調した。

 「日本の場合、東京を除く地方都市では、人口減少や高齢化が進み、商店街の閉鎖、鉄道利用の低下、財政の悪化などで活力が衰退しているのが実情だ。(エネルギーマネジメントやホームオートメーションなどの)高価なテクノロジーを買う予算は日本の自治体に乏しく、安価に広く利用できるようなプラットフォームを構築すべきだと考えている」

 もう一つ留意点として越塚氏が挙げるのが、導入の順序だ。

 「地域が抱える課題は何か、そして地域の持つコアコンピタンス(強み)は何か、その2つをまずは見つけること。両者を結びつけた課題解決のストーリーを作り、さらにその情報を他の地域にもシェアする。他の地域もそれを参考にして成功事例をたくさんつくることができる。そのあとにプラットフォームの導入の話が出てくると取り組みやすい。トップダウンで抽象的なプラットフォームの話から入っても実情とかい離したものになりやすい」

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