• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

リポート

記事一覧

ソーシャル・インパクト・ボンド、期限終了後はどうすべきか

「共創オープンフォーラム ソーシャルインパクト・フォーラム ヨコハマ」リポート(3)

小口正貴=スプール【2017.6.14】

公民連携の新たな手法として注目を浴びているソーシャル・インパクト・ボンド(以下SIB)。「共創オープンフォーラム ソーシャルインパクト・フォーラム ヨコハマ」(パシフィコ横浜、2017年4月22日)に英国、豪州、日本からSIBの専門家が集結。各国の事例報告に続き、参加者によるパネルディスカッションが開かれた。以下、ディスカッションの内容を紹介する(関連記事)。

事例報告を行った関係者がそろってパネルディスカッションを開催(写真:本稿すべて小口 正貴)
[画像のクリックで拡大表示]
<参加者一覧>
  • ミッシェル・ファレル・ベル氏(英国NPO、ティーンズ・アンド・トドラーズ リージョナルディレクター)
  • ポール・ホプキンス氏(英国NPO、ティーンズ・アンド・トドラーズ オペレーション・ファイナンスディレクター)
  • ダン・ハード氏(トリオドス銀行コーポレートファイナンス部長)
  • ルース・ローレンス氏(KPMGオーストラリア アソシエート・ディレクター)
  • 塚本一郎氏(明治大学経営学部教授/公共経営・社会戦略研究所代表取締役)
  • 濱田靜江氏(社会福祉法人 たすけあい ゆい理事長)
  • モデレーター・金子郁容氏(慶応大学名誉教授/明治大学経営学部 特任講師)

大学生が関与している日本のケースはユニーク

金子氏 先ほど興味深い事例を報告してもらったが(関連記事)、言い足りないことがあれば教えてほしい。

ホプキンス氏 皆さんが指摘したように、SIBにとって取引コストは非常に重要なものだ。我々は1回目に学んだことを生かし、2回目のSIBでコストを削減できた。もともと中間支援組織が行っていた機能を我々の機能に取り込むことができたからだ。また、最近では様々なSIBのコストを追跡して、削減するトレンドも出てきている。

ハード氏 我々は中間支援組織の立場だ。確かに最初は非常に複雑でコストも高く時間もかかったが、継続の場合は間違いなくコストが下がった。1回目のSIBで投資家との関係を構築できるので、2回目ではアドバイザーの役割が少なくなるためだ。恐らく3回目はほとんどアドバイスはいらないだろう。一方で新しいクライアントの開拓が必要になるわけだが、セクターとしては成熟してきている証なのでプラスだと考えている。

ローレンス氏 日本はSIBを手がける最初の国ではない。つまり各国の様々な失敗から学ぶことができる。ぜひ、日本ならではのストラクチャーを設計してほしい。日本のNPOは、英国、米国、豪州とは異なる役割を果たしているはずなので、その違いを比較しながらどのようなチャンスがあるのかを見極めるべきだろう。

 そうすれば、日本に向く特定の分野が見えてくるはずだ。まずは成功できる分野に取り組むべきで、あえて難しい分野に飛び込む必要はない。エビデンスベースで明確な評価ができて、良質な成果を求められる分野。そこから取り組んでほしい。

ハード氏 日本でSIBの実証実験に大学生が関与しているのはユニークだ(関連記事)。英国ではこのような事例はない。なぜなら、あれだけ小規模なインパクト投資の評価は難しいからだ。しかし先ほどの話を聞き、英国でも大学を巻き込んだスキームは“あり”かもしれないと感じた。

 例えば経営学を学んでいる学生の中には、SIBに参加したいと考える学生もいるかもしれない。それで修士号を取る要素にするなどして、評価や測定に関して大学に参加してもらう。そうすれば評価の部分でも大きな進展があるのではないか。

塚本氏 今回の横浜市のケースでは、大学発のベンチャーが活動に、大学そのものが第三者評価にと、研究と評価の両面から関わっている。それから大学生の学習支援ボランティアの効果も大きい。プロの塾講師に比べればスキルは低いが、大学生が教えることで子どもが親近感を持つ。

 子どもたちはいろいろな困難を抱えていて、大人に対して恐怖心や懐疑心を持っていることが多いが、大学生と付き合うことで心を開いたり、自発的に動いたりする。大学生が子供たちのロールモデルになっている。

濱田氏 社会福祉事業に今回の仕組みが生かされれば明るい。日本では税金だけで困難を抱えている生活者を支えてることが難しくなってきている。子どもたちの未来を一緒になって切り開いていく、その機会をいただいたことに感謝したい。

金子氏 現場で子どもたちが助け合っている姿を見て感心した。大学生が子どもの相談に乗ることは非常にパワフルで、関係づくりでも非常に素晴らしい取り組みだ。

ベル氏 おっしゃる通り、大学生が子どもの相談に乗るのは非常にパワフルなこと。困難な子どもに接することで自分を振り返る機会にもつながり、自分が子どもたちのロールモデルになることで自信が深まる。横浜市の事例を聞き、我々も大学生によるサポートを検討したいと感じた。

企画・運営
  • 日経BP総研
健康ソリューション

<新設!>医療、福祉、スポーツ、ウォーキング、食育……「健康」と地域活性化を結び付けた取り組みが活発化しています。


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

ページトップへ