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児童支援で効果あり、英・豪・日のソーシャル・インパクト・ボンド事例

「共創オープンフォーラム ソーシャルインパクト・フォーラム ヨコハマ」リポート(2)

小口正貴=スプール【2017.6.14】

SIBの専門家を招いて開催された「共創オープンフォーラム ソーシャルインパクト・フォーラム ヨコハマ」(2017年4月22日、パシフィコ横浜)。第二部では英国、豪州、日本におけるSIBの具体的事例が報告された。以下、発表順に紹介する(関連記事)。

Teens and Toddlers(ティーンズ・アンド・トドラーズ)

英国マンチェスターに拠点を置き、マンチェスター、ロンドン、ノース・ヨークシャーなど英国全土で活動する若年層支援のNPO。これまで2つのSIBに携わり、どちらも成功に導いている。

 ティーンズ・アンド・トドラーズからは、最初にリージョナルディレクターのミッシェル・ファレル・ベル氏が登壇。成績不振や困難な家庭生活を強いられている子どもたちを対象に、義務教育後の卒業認定試験(GCSE)や資格取得試験(National Award)に向けた学習支援のSIBに取り組んだ。

英国ティーンズ・アンド・トドラーズのミッシェル・ファレル・ベル氏(写真:本稿すべて小口 正貴)
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 13~14歳の子どもたちを8~10人程度のグループに分け、週に半日程度、18週間にわたってメンタリングを実施。最初のSIBは2012年にスタートし、2015年まで継続した。その間、合計で1304人の子どもたちが参加し、「学習に対する姿勢が改善され、一定の資格が取得できたか。学校の出席率が向上したか。GCSEのレベルはどうだったのか」(ベル氏)といったさまざまな尺度から成果を測定した。

 その結果、学習姿勢の改善は32%の期待値に対し60%の達成度を記録。出席率でも大幅な改善が見られた。ベル氏は「かなり早い段階で期待値よりも高い成果となった。そして精神的・身体的健康が回復したことも極めて重要」と振り返った。

 2015年からは2回目のSIBを開始し、2018年2月までの期間で実施中だ。今期は1624人の子どもたちを達成目標とするが、2017年4月時点ですでに1359人が参加。この数値は間もなく達成される見込みだという。

 2回目のSIBでは30%におよぶ政府のコスト削減にも成功した。これについてベル氏は「コストの一部を内製に移転させ、実作業コストを抑えた。1回目と同じプレーヤーが参加し、前回の経験から学びを得たことも大きな要因」と分析した。

 続いてマイクを取ったのはオペレーション・ファイナンスディレクターのポール・ホプキンス氏。「SIBは成果にフォーカスするため、途中でプログラムを変更することもある。また、データ処理能力が大事になってくる」と、データの重要性について訴えた。

英国ティーンズ・アンド・トドラーズのポール・ホプキンス氏
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 ホプキンス氏は「SIBでは数多くのデータを収集可能だが、評価につながる良質なデータかどうかが鍵を握る」と話す。中には行政や投資家に対して提示できないような雑なデータもあり、「常に評価を意識したデータ収集を行うべき」(ホプキンス氏)とした。

 体験者ならではの感想として印象深かったのが、人間関係構築の難しさだ。「3人の投資家がいれば、それぞれ異なるニーズを抱えていることになる。さらに投資家は、さほどシンプルな人たちではない。そんな彼らと一緒に事を進めるスキルを身につけなくてはならない」(ホプキンス氏)。いずれにせよ、2回にわたるSIBを通じて深めた自信は大きい。ホプキンス氏は「より簡素化したモデルをつくり、今後は小規模なSIBを立ち上げられるのではないか」と次の展開にも言及した。

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