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「さらば福祉大国」、PHR先進国を目指すオランダ

“国王肝いり”のプロジェクト始動

大下 淳一=日経デジタルヘルス【2017.4.17】

自分好みのPHRが選べる

 オランダにおける医療制度の水準は、欧州有数の高さを誇る。医療保険制度は、民間保険会社が国の規定で定められた水準の保険を提供する形の国民皆保険だ。

 eHealthに関しては、日本の厚生労働省に当たる保健・福祉・スポーツ省(VWS)が、2019年末までの目標として次の3つを打ち出した。(1)慢性疾患患者の80%、それ以外の国民については40%が、自分自身の医療記録にオンラインアクセス可能となる(2)慢性疾患患者や虚弱高齢者の75%が血圧やコレステロール値を自己測定し、それらのデータを医療サービス提供者と共有する(3)在宅ケア利用者は、遠隔介護によりヘルスケアサービス提供者と24時間コンタクトできる。

 ここに向けて、機関内における専門家のためのデータ利用(EHR)、機関同士の電子的な情報交換(HIE)、患者と専門家の間での電子的な情報交換(PHR)、という3つのレベルでeHealthの取り組みが進行中。このうちEHRとHIEはほぼすべての関連機関が対応するほどに整備が進んでおり、これからPHRの整備が始まる段階にある。

 その具体的な取り組みとして2016年に立ち上がったのがPHR推進プロジェクト「MedMij(メッドマイ)」だ。VWSと国立医療ICT研究所Nictiz、患者連盟NPCFの3者を中心に、民間保険会社やヘルスケアサービス事業者も参加。PHRの技術仕様やプライバシー保護、相互運用性、経済的仕組みなどを含め、ヘルスケア情報を持続的に交換できる環境を整備する。

 MedMijのユニークな点は「市民や患者が自分好みのPHRを複数の選択肢から選べる」(遊間氏)こと。既に独自のPHRプラットフォームを提供している民間事業者に対して、MedMij基準への準拠を依頼してこれを実現する。参加するPHRプラットフォーム事業者にとっては「顧客を囲い込めない点はマイナスだが、相互運用によってパイが広がる」(同氏)メリットがある。

 MedMijプロジェクトは2017年2月、PHRが全土に広く普及した場合のコスト・ベネフィット分析の結果を公表した。民間からの投資を促すために、PHRが健全なビジネスになり得ることを示すのがその狙いだ。分析によれば、オランダ全人口の60%がPHRに参加すると仮定した場合、導入から10年目に初期投資の10倍のリターンが期待されるという。

企画・運営
  • 日経BP総研


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