• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

事例研究

記事一覧

規則で縛らない「図書館」に人が集まる――大和市の複合施設「シリウス」

オープン5カ月弱で100万人、“市民の居場所”目指す

茂木 俊輔=ライター【2017.4.26】

細かなルールなしでも利用者は良識をわきまえる

 指定管理者が決まり、市との間で協議を進めていく中で、冒頭に紹介したような利用者を細かなルールで縛らない運営が固まっていった。話の発端は、図書館で計画されていた学習席の少なさにあったという。

 図書館流通センターの今村氏はこう振り返る。「新しい図書館は旧図書館に比べ、学習席の割合が少なかった。学習席以外の場所で学習する利用者を注意すべきかという課題を検討する中で、むしろ館内どこででも学習できる運営にできないかと市に提案したところ、旧図書館での実態を踏まえて受け入れられた」。それをきっかけに指定管理者側では飲み物の持ち込みを可能にする運営も市に提案。それもまた受け入れられた。

館内の各所に多様な座席を設けている(写真:茂木俊輔)
[画像のクリックで拡大表示]

 開館後、それらの運営によるトラブルは生じていないのか――。

 指定管理者「やまとみらい」の統括責任者を務める金守孝次氏によると、「(取材時点の)1月は受験シーズンということもあって平日の夕方や土日は学習利用者が多い。読書利用者から苦情を受けることはあるが、800席近い規模の大きさから対応できている」という。

 今村氏も現在の運営に一定のリスクがある点は意識しながらも、「館内を巡回して注意を繰り返すというイタチごっこをせずに済む。どうしてもルールを厳しくする必要が生じたら、後からでも対処は可能」と構える。「館内どこででも読書を可能にしていることから、書架とは別の階に本が持ち出されたままになることを心配していたが、多くの利用者は元の書架に本を戻しているため、後片付けに手間がかかるという問題はほとんどない。飲み物による本の汚損事故もみられない。良識をわきまえて利用してもらっている」

 目指すのは、細かなルールを課さなくてもそう散らからないショッピングモールだという。「例えば館内に紙コップが放置されていたら、清掃担当者に限らず、職員がそれをすぐに片付ける。そうした行動を徹底することによって、館内の環境が悪化していくことがないように努めていく」。今村氏は力強く言う。

 「読書も学習も、飲み物片手にどこででも」という居心地の良さが評価されているためか、開館後の評判は上々だ。大和市の柴田氏は「年間利用者100万人を目指していたところ、3月17日にその目標を突破した。このペースでいくと、年間利用者200万人は確実だ」と喜ぶ。

企画・運営
  • 日経BP総研


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

pickup

ページトップへ