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事例研究

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規則で縛らない「図書館」に人が集まる――大和市の複合施設「シリウス」

オープン5カ月弱で100万人、“市民の居場所”目指す

茂木 俊輔=ライター【2017.4.26】

一体運営と民間活用を狙い指定管理者に

 市は05年度以降、施設の管理・運営に指定管理者制度を積極的に活用してきた。そうした流れの中で、再開発ビル内に整備する公益施設全体に関しては13年1月、「大和駅東側第4地区公益施設管理運営基本計画」をまとめ、指定管理者制度の導入を改めて打ち出した。

 そこではまず、文化創造への投資と持続可能な財政運営の両立を図るため、運営体制に関して、施設全体の一体的な運営と民間活力の積極活用という2つの方針を打ち立てた。そのうえで、これら2つの方針を満たすために指定管理者制度の導入を基本とするという考え方を明らかにしている。

 「施設の設置目的を効果的に実現するという点に加え、文化創造拠点と位置付けた大型の複合施設を一体的に管理しなくてはならないこと、市民サービス向上のため開館日や開館時間を大幅に拡大することを考えても、指定管理者制度の導入が妥当であると判断した」。柴田氏はそう補足する。

エントランスまわりの夜景。芸術文化ホールは午後10時まで、生涯学習センターは午後9時30分まで、図書館は午後9時(日・祝は8時)まで開いている(写真:茂木俊輔)
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 市は14年10~11月に指定管理者を公募し、新しく立ち上げた文化創造拠点運営審議会での審査を経て、翌15年1月に指定管理者の候補を選定した。審査では運営審議会の委員6人があらかじめ示された評価基準に従って応募者の提案を600点満点で評価、その合計点を比較している。評価基準は、運営組織、各施設の利用者サービス、維持管理、管理経費などの9項目。このうち芸術文化ホールと図書館の利用者サービスという2つの項目は、配点がほかの項目に比べ際立って高く、各140点に設定されていた。

 公募に応じた3つの企業グループの中から選ばれたのが「やまとみらい」だ。代表企業である図書館流通センターの今村氏は、公募に応じた理由をこう説明する。

 「図書館専門企業として、指定管理者の公募には積極的に応じている。ただ、経費削減が目的で指定管理料が極端に安かったり、業務仕様書の内容が厳密で民間ノウハウを生かせなかったりする場合は、公募に応じないことがある。大和市の案件はこれらのマイナス要素がないうえ、新たな提案を求める公募でもあった」

4階の健康コーナー(写真:茂木俊輔)
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 「やまとみらい」の提案で高く評価されたのは、図書館の利用者サービスである。公募に応じたほかの2企業グループの評価点が840点満点中598点と672点だったのに対し、「やまとみらい」は739点。「健康都市」を掲げる市は、仕様書の中で「健康都市」を支える施設運営を求めていた。審査では、特に図書館での健康に関する具体的な提案が高く評価されたという。

 選定された「やまとみらい」は15年3月、市議会での議決を経て正式に指定管理者に決まる。指定期間は16年11月から21年3月まで。指定管理料は開館初年度が3億6000万円、17年度以降が年額7億9800万円。市が公募時に示した指定管理料の上限いっぱいの金額である。

企画・運営
  • 日経BP総研


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