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新虎通りに市町村の魅力伝えるマーケット、道路上に飲食店も

官民が連携、東京五輪開催の追い風を地方にも

赤坂 麻実=ライター【2017.3.7】

 日本各地の魅力を、市町村と民間企業が協力して発信する「旅する新虎マーケット」が2017年2月24日、新虎通りで開業した。新虎通りは環状2号線(新橋~虎ノ門)の地上部道路の愛称で、2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、五輪)の際には選手村とスタジアムを結ぶシンボルストリートになる。五輪開催を契機に東京に注目が集まる中、沿道で「旅するストア」(物販店舗)、「旅するカフェ」、道路内建築による飲食店「旅するスタンド」4カ所などを展開し、伝統工芸品や特産品など地方の魅力をアピールする。

 主催は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合(会長:國定勇人三条市長)。全国の市町村が連携して、五輪開催の追い風を、開催地・東京だけでなく地方でも享受しようと2015年3月に設立した。2017年2月13日時点で464市町村が参加している。

旅する新虎マーケットの地図。施設名称にある「旅する」は、目的地へ出かけるだけでなく、知らなかった物や人と出会って新たな発見をすることも意味している。「OMOTENASHIやARIGATOのように、日本の価値観を伝える言葉として日本語のまま海外へ伝わったら」との願いで「TABISURU」とも表記する(資料:2020 年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合)
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愛宕通りを挟んで虎ノ門ヒルズ真向かいの平屋カフェ「GOOD MORNING CAFE & GRILL」が旅するカフェとして営業(左)。新虎マーケット出展市町村の食材を使ったスペシャルメニューを提供する。6月までは「山形牛のローストビーフバーガー」や「湯河原みかんドライバー」「ホタテの昆布〆カルパッチョ 高岡白とろろ昆布と柚子胡椒のヴィネグレット」など。右写真は愛宕通りと新虎通りの交差点前に設置した旅するストア(写真:赤坂 麻実)

 「旅する新虎マーケット」では、3カ月ごとに全体でテーマを設定して集客を図る。オープンから6月までのテーマは「木の芽風・薫風」だ。出展市町村はテーマに沿って絞り込む。

 4カ所設置した「旅するスタンド」では、愛媛県今治市が地元の柑橘類を生かした「今治イマバール」、富山県高岡市が地元の日本酒や海産物を使う「おでんや高岡」、山形県山形市が山形牛などを用いる「洋食やまがた軒」、山口県宇部市がワタリガニなどを使ったバーガーなどを提供するテイクアウト専門店「バーガーうべ」を、それぞれ6月まで営む。以降は3カ月ごとに設定する全体テーマに沿って別の自治体が出店する。

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歩道上に設置された旅するスタンド。歩道側はガラス張りになっている。上写真は「スタンド1」、下写真は「スタンド2」。下写真の歩道側奥の高層ビルは虎ノ門ヒルズ、向かって左の細い道は自転車専用レーン(写真:編集部)
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 旅する新虎マーケットの企画運営を担う事務局には、バルニバービ、三越伊勢丹、森ビルが参画。JTQの谷川じゅんじ氏、ウェルカムの横川正紀氏がアドバイザーを務める。セレクトショップの「旅するストア」には三越伊勢丹が全国から選び抜いた工芸品や雑貨などが並び、「旅するカフェ」では地域の食材を生かしてバルニバービが開発したメニューが楽しめる。「旅するスタンド」の今治市、山形市のメニュー開発はバルニバービが、高岡市、宇部市のメニュー開発はウェルカムが担当した。

 そのほか、旅するカフェの脇には「旅するポップアップ」として、神奈川県湯河原町が3月末まで足湯を開設。湯河原町から毎日届く温泉を無料で楽しめる。

旅するカフェの脇に設けられた湯河原町の足湯は3月末までの期間限定オープン。11時~21時まで、入湯無料(月曜定休)(写真:赤坂 麻実)
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接した人たちが、現地に行ってみたくなるような深い紹介をしたい

 国定会長は、「地元では1日2000歩ほどしか歩かないが、東京へ出張した日は1万歩以上に達する。実は、東京は全国でも珍しいほど、歩く(歩きたくなる、歩いて便利な)街。それをうまく生かしたい」と意気込みを語る。

 アドバイザーの谷川氏は「主催の首長連合と話し合って、ステレオタイプの発信はやめようと決めた。例えば、おそろいのはっぴを着て、のぼりを立てて特産品などを売るブースが並んでいると、外国人観光客の目にはどれも同じように見えてしまうのではないか。地域ごと、季節ごとに、違った切り口でキュレーションして発信することで、地域の特色が明確になるはず。接した人たちが、現地に行ってみたくなるような深い紹介をしたい」とコンセプトを説明する。市町村からの提案を参考にしながら、企業が独自にリサーチも行い、地域の住民がかえって見落としがちな魅力まで発見し、食材を買い付けているという。

 都道内初の道路上に設置される食事施設となる「旅するスタンド施」は、都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域内において、地元のエリアマネジメント団体(一般社団法人新虎通りエリアマネジメント)が、道路法第32条による占用許可を受けて設置した。

 「新橋~虎ノ門の環状2号線は、地下を幅員24mの道路が走っているため、地上では建物がセットバックしており、幅員40mと広い。地下道がある分、地上は片側1車線ずつで交通量をさばくことができ、両側の歩道が各13m幅(自転車レーン含む)と豊かなスペースがある。本来、40m幅の道路を設けると街が分断されてしまうが、この両側歩道に『旅するスタンド』を建てることで、ヒューマンスケールで街をつなげていけるのではないか。スタンドの間には自転車レーンも通っている。少し離れた場所からは自転車で、近くの人は歩いて、みんなが集まって賑わう場所になれば」(設計を担当した建築家の長坂常氏)

写真中央が首長連合の國定勇人会長、右はアドバイザーの谷川じゅんじ氏、左が建築家の長坂常氏(写真:赤坂 麻実)
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 次ページ以降では、4自治体が出店した「旅するスタンド」内部などを写真でお伝えする。なお、本稿の写真はいずれも2月23日に開催されたプレス向けの内覧会で撮影したものだ。

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