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「官民データ活用推進基本法」が成立、AIやIoTも法律で初めて定義

井出 一仁=日経BPイノベーションICT研究所【2016.12.9】

 国・自治体・民間企業が保有するデータを効果的に活用することで、自立的で個性豊かな地域社会の形成、新事業の創出、国際競争力の強化などを目指す法律「官民データ活用推進基本法」が12月7日の参議院本会議で可決・成立した。議員立法として衆議院内閣委員会で11月25日に与野党(自民・公明・民進・維新)の連名で発議・法案化され、実質10日足らずで成立にこぎ着けた。

 同法に基づいて今後、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)の下に首相を議長とする「官民データ活用推進戦略会議」を設置し、基本計画の立案や重要施策の実施推進などに取り組む。同会議はすべての国務大臣、政府CIO、有識者で構成する。

 会議では、必要に応じて既存の法制度の改正も進めていく。議長である首相には、関係行政機関の長に勧告できる権限も付与した。また、都道府県に対しても「官民データ活用推進基本計画」の策定を義務付けたほか、市町村には努力義務を課した。自治体は施策の策定・実施に関して、官民データ活用推進戦略会議に対して情報提供などの協力を求めることができ、会議はその求めに応じるように努めるとした。

 政府はこれまでIT総合戦略本部を中心にオープンデータ施策などを推進し、国・自治体・民間企業が保有するデータの活用を促してきたが、まだ新事業の創出や経済成長などの目に見える成果には結びついていない。マイナンバー法や改正個人情報保護法、サイバーセキュリティ基本法のように、データを保護する施策を優先せざるを得ない状況もあった。今回の法律で、保護に比べて後手に回っていた活用を推進するための基盤が整うことになる。

 法律では初めて、AI(人工知能)、IoT(インターネット・オブ・シングス)、クラウド・コンピューティング・サービスを定義した。例えばIoT活用関連技術は、「インターネットに多様かつ多数の物が接続されて、それらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の活用に関する技術であって、当該情報の活用による付加価値の創出によって、事業者の経営の能率及び生産性の向上、新たな事業の創出並びに就業の機会の増大をもたらし、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与するもの」と定義した。

 基本的な施策としては、行政手続きなどでのオンライン利用の原則化、国・自治体のデータの容易な利用(オープンデータ化)、マイナンバーカードの普及・活用などのほか、国・自治体のデータの活用を促すために、システムの規格整備や互換性確保、業務の見直しなどの措置を講じるとしている。

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