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サービス開始から1年、民間事業者のCCRCパイオニアは何を思う?

「第二回日本版CCRC構想・生涯活躍のまち取り組み事例勉強会」(2)

小口正貴=スプール【2016.12.14】

 全国で生涯活躍のまち構想を進める自治体から担当者が集った「第二回日本版CCRC構想・生涯活躍のまち取り組み事例勉強会」(2016年11月25日、東京・有明)。先行事例として国のサポート対象となった新潟県南魚沼市、山梨県都留市、北九州市と並び、茨城県笠間市と岩手県八幡平市の民間事業者がその取り組みや成果を発表した。

笠間市――滞在型農園のコミュニティをヒントに「まち丸ごとのCCRC」を

 全国的に「笠間焼」のまちとして知られる笠間市。ほかにも日本三大稲荷にも数えられる笠間稲荷神社、合気道の聖地として親しまれる合気神社、日本有数の栗の産地など、ブランド力のあるまちでもある。

 東京から約100km、特急を利用すれば東京駅から友部駅(笠間市)まで約1時間で到着する同市は、ぎりぎり東京圏とも言える場所にある。笠間市役所の北野高史氏によれば「ビジネス的には近い距離。市内企業の取引先にも東京の企業が多い」とする。

 しかし、一見恵まれた環境にある同市も、2000年頃を境に人口が減少。今後、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者になり、国民の3分の1が65歳以上になる「2025年問題」も控える中で、生涯活躍のまち構想に取り組む。テーマは人口減少の抑制と地域経済の活性化。利便性の高い居住拠点を足がかりに、いずれはまち全体に活動の場を広げる「まち丸ごとのCCRC」(北野氏)を目指す。

笠間市の北野高史氏
「まち丸ごとのCCRCを目指す」と話す笠間市の北野高史氏
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 特徴は、新たに複合型施設、福祉施設、サービス付き高齢者向け住宅などを建設せず、既存施設の活用や、民間事業者の参画を促しながら進めていく点にある。「逆に民間のパワーを生かさないと、市民に関わる丸ごとのCCRCはできないのではないか。その仮説のもとに動いている」(北野氏)。

 もちろん丸投げなのではなく、市でもきちんとした計画を立てている。市内には茨城県立中央病院、茨城県立こころの医療センターがあり、さらに2018年のオープンを目指して市立病院の代替となる総合医療施設「地域医療センターかさま」を準備している。これらはすべて友部駅の周辺にあることから、「まち丸ごとCCRCの最初のコミュニティは友部駅周辺の2km圏内に置く」(北野氏)とした。これら高度な医療機関の周辺に、自然集約的に介護施設が集まっていることも大きな要因だ。

 さらにもう1つ、2001年にオープンした関東地区初の滞在型市民農園施設「笠間クラインガルテン」が、2拠点居住の展開にヒントを与えた。全50区画で1区画の利用料が年間40万円ほどかかるが、毎年定数を超える応募が続いている。利用者の7割が首都圏の人たちで、毎年3万人ほどが訪れる。

 利用者へのヒアリングを繰り返す中で見えてきたのが、OBや会員たちが独自にコミュニティを築いていることだった。「自ら市民向けの講演会を行ったり、料理教室を開いたり、ゴルフ会をやったり。CCRCでも参考にしたい」(北野氏)。事実、これまで164件の卒業者のうち、およそ1割が笠間市に住み続けるとの効果が生まれている。「クラインガルテンは里山のモデルだが、我々はこうしたコミュニティをまちなかで作るコンセプトを考えている」(北野氏)。

 2013年から始めた空き家バンク制度も好調だ。現在のところ登録は41件だが、既に31件が成約。100人ほどが待機状態だという。「笠間の陶芸作家は多くが移住者たち。空き家の人気を見ても転入を受け止めるポテンシャルは十分にある」(北野氏)。そのほか、学び・労働・楽しさが循環する仕組みを構築し、移住者や市民が一体となった仕掛けを施していく。

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