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神戸市がソーシャル・インパクト・ボンドを開始、腎症患者の人工透析を予防

萩原 詩子=ライター【2017.8.7】

事業実施体制(資料提供:神戸市)
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腎症のステージ(資料提供:神戸市)
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実施スケジュール(資料提供:神戸市)
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 神戸市は、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を導入し、糖尿病性腎症の患者などを対象に、重症化や人工透析への移行を予防する事業を7月に開始した。

 SIBとは、行政機関が民間から調達した資金で事業者に公的サービスを委託し、事業者が成果に応じて資金提供者に利益を還元する仕組みだ。教育・福祉など社会的課題の解決を図る投資行動「社会的インパクト投資」の1つとされる。行政は初期投資を民間資金で賄うことで、財政リスクを抑えながら民間の新しい取り組みを活用できる。

 神戸市のSIBでは、1人当たりの年間医療費が約500万円にのぼる人工透析への移行率削減を目指す。国民健康保険被保険者のうち、特に人工透析移行リスクの高い未受診及び治療中断中の約100人を対象に、市からの委託事業者が医療機関への受診勧奨や食事療法などの保健指導を行い重症化を予防する。これにより、市民のQOL(Quality Of Life)の向上、医療費の適正化、死亡や入院・通院により労働ができないことによる逸失所得の削減が見込める。保健指導は8月24日にスタートする。

 SIBの事業費は約2400万円(税別)を予定。事業実施は17年7月~18年3月で、18年4月中に中間評価、20年3月末までに最終評価を行う。成果指標は保健指導プログラム修了率、生活習慣改善率、腎機能低下抑制率など。中間評価後、および最終評価後に、市は成果に応じて事業者に委託料を支払う。ここでの利益から、事業者は出資者に対して利子・元本返済、さらに、配当・償還を行う。

 資金提供者は三井住友銀行と個人投資家(予定)、一般財団法人社会的投資推進財団(SIIF)で、SMBC信託銀行が信託機能を提供する。神戸市から委託を受けて事業を実施するのはDPPヘルスパートナーズ(広島市)。SIIFは中間支援組織としてプロジェクトの管理運営などの支援も行う。事業の成果の評価は、第三者機関として未来工学研究所(予定)が実施する。

 SIBは2010年にイギリスで始まり、海外ではこれまでに16カ国60件以上、約220億円の実施事例がある(出典:Social Finance UK (2016)”Social Impact Bonds - The Early Years”)。日本では2015年から日本財団のパイロット事業が実施され、2017年度からは厚生労働省によるモデル事業も開始されている。神戸市など今回のSIB関連団体によると、機関投資家や個人投資家から資金調達する本格的なSIBに取り組む自治体は、国内では同市が初だという。

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  • 日経BP総研


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