• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ニュース

記事一覧

熊本空港の運営委託に向けて意見を募集、国交省がサウンディング調査

山田雅子=ライター【2017.7.13】

 国土交通省は6月30日、熊本空港の運営の民間委託を進めるにあたり、現時点における国の制度設計案(基本スキーム案)を公表した。この案を基に、運営形態や運営権者選定方法などについて民間事業者の意見を募集するサウンディング調査を実施する。

 調査の手続きは、ウェブサイト上のファイル共有システムであるバーチャルデータルーム(以下、VDR)を介して行う。実施の実務は新日本有限責任監査法人に委託する。調査への参加を希望する事業者は、まずVDRのIDを申請したうえで、その後の手続きに進む。IDの申請は8月7日まで。その後、参加表明手続きなどを経て8月25日までに意見を提出する。

[画像のクリックで拡大表示]
今回のマーケットサウンディング手続きの流れ(資料:国土交通省)

 熊本空港は、東京便を中心に、国内線は1日38往復、国際線はソウルと台湾の高雄へ、週7往復が発着している。2015年度の実績は、国内線の旅客数が316万人、国際線の旅客数が7万人、貨物の取り扱いは国内のみで、1万6564tだ。熊本県の産業と観光の振興のための重要なインフラであるとともに、九州におけるアジアへの玄関口としての可能性も有している。

 しかし、現在の熊本空港は、国が所有する滑走路などの空港基本施設と、航空会社や航空貨物会社が所有する旅客ビルと貨物ビル、および駐車場運営事業者が所有する駐車場施設が、それぞれ分離して運営されており、空港全体の一体的な経営ができていないことが課題となっている。加えて、16年4月に発生した熊本地震からの復興のシンボルとして、空港周辺地域の活性化も実現したい考えだ。

 これらを踏まえて、今回の民間委託のポイントは、滑走路やターミナルビルの一体的な運営の実現と新たなターミナルビルの建設を、民間の資金と活力により実現することだ。基本的なスキームは、空港基本施設や保安施設、道路、駐車場などに運営権を設置するとともに、旅客ビルや貨物ビルなどのビルは民間事業者が買い受け、独自に運営することで、空港とビルの一体的な運営を実現するというものだ。これに加えて民間事業者の負担で、22年度中を目途に国内線と国際線が一体となった新たなターミナルビルを整備する。

 民間事業者は、現在のビル事業会社の株式を取得する形で、現存の国内線ターミナルビルと国際線ターミナルビル、および貨物ビルを引き継いだうえで、国内線ターミナルビルを建て替える。なお、建て替え中の旅客サービス機能を果たすビルとして、国は19年末頃を目途に新たなビルを整備する予定で、このビルも竣工次第、国から民間事業者が買い受ける。ただし、このビルは、旅客サービスに必要な基本的な機能のみを備えているため、物販や飲食、事務所などの機能を果たす施設の建設用地が、このビルの近くに用意される予定だ。そこに、民間事業者の判断で必要な施設を整備する。

 民間事業者による空港運営事業は20年4月頃に開始する予定で、事業期間は48年間。延長があった場合も、最長で58年間とする。この48年間という期間設定は、新ターミナルビル建設までの約3年間と、新たなビルの耐用年数を考慮して決めたものだ。

 事業を担うにあたり、民間事業者が負担する費用は、運営権の対価のほか現在のビル事業者の株式、空港施設内の物品、および新ターミナルビル建設までの代替のビルの対価だ。このうち運営権の対価は、国が最低提案価格を設定し、これを上回る金額を提案する。また、事業を遂行するためだけの特別目的会社(SPC)を設立し、SPCが空港運営を行うものとする。

 今後、運営権者を募集する際の条件には、応募企業、または複数の企業グループで応募する場合は代表企業が、08年以降に、以下に挙げる4つのいずれかの実績を有していることを課す予定だ。(1)商業施設または公共施設の建設と運営、あるいは買収と運営の実績。(2)旅客施設か旅客運送事業、貨物取扱施設か貨物運送事業、または旅行業のいずれかの実績。(3)営業用不動産管理事業の実績。(4)公共施設などの運営事業の実績。資本面や人事面で一定の関連のある事業者がこれらの経験を有する場合も、応募可能とする。

 今回の調査は、これらの基本スキーム案の内容と新ターミナルビルの整備に関する要求水準について、意見や提案を求めるものだ。基本スキーム案はすでに一般に公開されているが、新ターミナルビルの要求水準は、調査への参加手続きをとった後、VDRから入手できる。意見募集の締め切りは8月25日。今後のスケジュールは、18年1月頃に実施方針を公表した後、3月頃に募集要項を公表し、優先交渉権者を選定。20年4月頃に、民間事業者による空港運営事業を開始する計画だ。

企画・運営
  • 日経BP総研
お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

pickup

ページトップへ