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地域の“つながり”とICTでつくる見守り

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地域住民にスマホアプリで捜索協力を呼び掛け、コストを抑えた見守りを実現――柏市

元田 光一=テクニカルライター【2018.2.5】

 ICTを活用しつつ、できるだけコストをかけずに、効率的に対象を見守れる環境を整える――。実はこのバランスが、案外難しい。ICTを使うとなると、街中にカメラを配備したり、対象者にデバイスをもたせたりと、設備面で膨大なコストがかかることが多く自治体にはハードルが高い。そこで考えたいのが、地域住民の協力でお互いを見守りあう仕組みに、比較的単純でコストがかからないICTツールを組み込む方法。一例が、千葉県柏市の見守り事業だ。安価なステッカーとスマートフォンのアプリを使って、地域住民が行方不明者の捜索に協力する仕組みである。

スマートフォンのアプリとステッカーを使った見守り

写真1●みまもりあいプロジェクトで使われるステッカー
図1●みまもりあいプロジェクトの専用アプリに表示される捜査依頼の例

 柏市で導入した地域住民による捜索協力の仕組みは、防災行政無線を使って対象となる地区の屋外スピーカーから地域住民に行方不明者の情報提供を呼び掛けるのとモデルは同じである。ごくシンプルなICTの仕組みで、情報提供を呼び掛けるメッセージを地域住民に自動配信できる。こうしたサービスを提供しているのがセーフティネットリンケージ。同社が提供する「みまもりあいプロジェクト」では、見守り対象者ごとに割り当てたIDを記載されたステッカーと、呼び掛けメッセージを受け取る協力者用のスマートフォンアプリを使う。

 具体的な仕組みはこうだ。まず、見守り対象者の衣服や帽子、靴などに、連絡先の電話番号と個別のIDが表記されたステッカーを貼り付けておく(写真1)。対象者が一人で外出して戻ってこられなくなると、家族がスマートフォンを使って、専用アプリをインストールした協力者に「捜索依頼」と「捜索者情報(対象者の身長や服装などの特徴を表す情報)」を発信する(図1)。

 あらかじめ専用アプリをインストールしている協力者が捜索対象者を発見すると、ステッカーに記載されたフリーダイヤルの番号にスマートフォンから電話をかけ、メッセージに従ってIDを入力する。すると、その電話が家族のスマートフォンに転送され、その場で発見場所や状況について家族と会話できる。家族の電話番号は2カ所まで登録でき、最初にかかってきた電話が圏外にあったり電源が入っていなかったりした場合は、次の番号に自動的に転送される。

 この仕組みのメリットは、対象者を発見した第三者と捜索協力を依頼した家族との間で、お互いの個人情報が開示されないこと。配信したい捜索者情報は家族が管理でき、どの範囲まで(半径5キロ、10キロ、20キロ)の協力者に配信するかどうかも、探索を依頼する家族側で選択できる。対象者の服などに貼り付けたステッカーには、フリーダイヤルの番号と個別のIDしか記載されていないため、個人を特定することはできない。行方不明者の身元が公にされることはなく、犯罪などの2次被害に遭いにくい。

 専用アプリで捜索を依頼する際には、家族の意思で対象者の顔写真を公開できる。この顔写真があることが、協力者が早期に対象者を発見する可能性を高める。ただ、このときも捜索対象者と家族の個人情報は開示されない。協力者が対象者を発見して報告ボタンを押すと、すべての協力者に御礼通知が配信され、配信されたすべての「捜索者情報」は自動消去される。

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