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直営図書館と地元スーパーを一体整備、安城市

中心市街地拠点施設「アンフォーレ」をPFIと定借で

茂木俊輔=ライター【2017.12.22】

ホールや広場はPFI事業者とは別の指定管理者が運営

 公共施設1階のホール、願いごと広場などの貸スペース部分は、PFI事業者とは別に指定管理者を公募・採用した。PFI事業とは切り分けた理由を、市市民生活部アンフォーレ課まちなか連携係の水上貴夫氏はこう説明する。「施設の中心となる図書情報館は市の直営。1階部分と広場の運営業務だけをPFI事業に含めるとなると、その業務仕様を事業期間である15年間にわたって固めておく必要がある。しかし、ここで想定される運営業務を考えると、それ(長期にわたって仕様を固めてしまうこと)は適切ではない」。

 とはいえ、民間のノウハウは活用したい。「にぎわい創出に向けた市の思いが伝わるように、運営者との間にPFI事業者をはさむことなく、直接やり取りできる態勢が望ましかった」(水上氏)。

 市は公募に応じた4団体の中から安城プロモーションズを指定管理者として選定した。安城プロモーションズはJTBプロモーションを代表者とする団体で、地元のまちづくり会社である安城スタイルとの2社で構成する。指定管理期間である2022年3月までの4年10カ月の間、公共施設1階のホールや多目的室などの利用受付業務のほか、拠点施設や中心市街地のにぎわい創出のための事業実施やコーディネート業務などを行う。指定管理料は総額約1億9340万円だ。

願いごと広場。2017年7月には、青春時代を安城で過ごした童話作家の新美南吉の生誕を祝う「新美南吉生誕祭」が、同年8月には、開催期間中の3日間で計100万人を集めるという毎年恒例の「安城七夕まつり」が、この広場を会場の一つに開かれた(画像提供:安城市)
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公共施設1階のホール。客席数は255席。地下に埋め込むような造りにしたため、天井の位置は周りとそろえることができた。願いごと広場と一体的に利用することも可能(画像提供:安城市)
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 中心市街地拠点施設「アンフォーレ」のオープンから約半年。にぎわい創出への第一歩として、公共施設や民間施設はどの程度利用されているのか――。

 図書館情報館の出足は好調だ。貸出利用者数は、開館月である2017年6月で前年同月比約8割増し、翌7月で同じく6割強増しという。強化を目指したレファレンスサービスの提供件数も、中央図書館時代は1日平均20件に満たなかったが、2017年度は急増し9月時点ですでに同35件に迫る勢いだ。

 会話や軽食を認める運営に関しては、「大きな問題は生じていないが、開館当初は利用者が多く、館内が騒がしかったこともあって、『これでは図書館とは言えない』という苦情も受けた」と岡田氏。半面、静かな図書館だと行くのに気を使わざるを得ない乳幼児連れの女性の姿も以前より目につくようになるなど、高校生と高齢者が中心だった利用者層に広がりが出てきたという。

 図書情報館にホールを加えた公共施設全体の来場者数は、開館5カ月で約60万人。年度内には目標の80万人を超える100万人にまで達する見通しだ。図書情報館は確かな集客力を見せている。一方、民間施設のスーパーはこれからに期待をかけるという。清水建設名古屋支店三河営業所営業部長の並木孝氏は、「売り上げはまだ目標に達していない」と明かす。

 図書情報館の集客力を民間収益に結びつけるには、民間事業者、民間施設のテナント、指定管理者といった関係者間の連携が欠かせない。そのことは、計画当初から想定されていた通りだ。「図書情報館や開催されるイベントと連携をうまく図って買い物客を呼び込むことが、目下の課題」と並木氏は語る。相乗効果の発揮が、今後いっそう望まれる。

■訂正履歴
初出時、5ページ目写真キャプションに「新美南吉誕生祭」とありましたが、正しくは「新美南吉生誕祭」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2017/12/27 10:10]
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