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直営図書館と地元スーパーを一体整備、安城市

中心市街地拠点施設「アンフォーレ」をPFIと定借で

茂木俊輔=ライター【2017.12.22】

分棟方式の採用で事業リスク切り離し

 民間施設への期待もまた、集客力の発揮によるにぎわい創出にほかならない。中心市街地拠点整備基本計画では、「公共施設と相乗効果の発揮できる施設や生活利便性の向上が期待できる施設」を想定していた。

 中心部では、生活利便性の向上を望める施設としてスーパーマーケットへの期待がみられたという。先ほど触れたように、中心部ではトポスとユニーという2つの大型店が閉店し、日常の買い物は郊外型の大型店に頼らざるを得なかった。「ところが、中心部では高齢化が進んでいるため、徒歩や自転車で利用できるスーパーマーケットが求められていた」(岡田氏)。

民間施設。1階にスーパーマーケット「ドミー」、2階にカルチャーセンター「暮らしの学校」がテナントして入居する。スーパーマーケットの提案が事業者選定の大きなポイントとなった。右手は公共施設。2つの建物は2階の連絡通路で結ばれている。その間には立体駐車場がある(写真:茂木俊輔)
[画像のクリックで拡大表示]

 図書館や民間施設とともに想定されていた広場は、暫定利用だった中心市街地交流広場の機能を引き継ぐものだ。そこでイベントが開催されれば、にぎわい創出に役立つ。

 これらの施設を整備するにあたって市は、民間事業者との連携を前提に、分棟方式と合築方式の2通りの方式を検討してきた。

 分棟方式は、公共施設と民間施設を建築構造上切り分け、敷地もそれぞれ区分するものだ。これに対して合築方式は、公共施設と民間施設が建築構造上一体で、一つの敷地に建つ1棟の建物の中に同居させるものだ。

 検討を重ねる中で行き着いたのが、採用した分棟方式である。民間施設の整備に伴う事業リスクを公共施設の整備から切り離せる点が、決め手になった。

 合築方式では、下に民間施設、上に公共施設を配置するという構成を想定していた。ただ民間施設は公共施設と違って、撤退や経営破たんのリスクが伴う。岡田氏は「合築方式では、場合によっては1階部分に空きが生じ、その上に配置される公共施設の利用にも支障を来しかねない。分棟方式は、そのリスクを回避できる」と指摘する。

 分棟方式の場合、公共施設に関しては公設公営とPFIという2つの方式が考えられるが、財政負担の縮減などの観点から、市はPFIを採用した。民間施設に関しては、用地を売却する意向はなかったことから、自ずと定期借地の採用に至った。

 こうした事業方式を前提に、市は2013年5月に民間事業者の募集要項を公表し、事業者の募集・選定段階に入った。目を引くのは、公共施設と民間施設の整備を一体のものと位置付け、それらを手掛ける民間事業者の募集・選定を一括して実施することを打ち出した点だ。市としてはこうすることで、事業リスクの見込まれる民間施設の整備も公共施設の整備と併せて進められる。

 ただ募集要項では、民間事業者に対する配慮も見せている。民間施設の整備事業に関しては、PFI事業よりも5年長い20年間という事業期間も選択できるようにしている。岡田氏は「事業リスクの見込み方によっては、投資回収までの期間をもう少し長くみられるように配慮した」と説明する。

 市の募集に応じて提案書類を提出した民間事業者は4グループ。その中から選ばれたのが、清水建設名古屋支店を代表企業とするグループだ。

 グループのメンバーは7社。PFI事業や民間施設の整備事業を手掛けるSPCの出資企業である清水建設、スターツCAM、三上建築事務所、スターツアメニティーの4社と、丸山組、シミズ・ビルライフケア、スターツファシリティーサービスの3社である。設計業務は清水建設と三上建築事務所の2社が、施工業務は清水建設とスターツCAMと丸山組の3社が、維持管理業務はシミズ・ビルライフケアとスターツファシリティーサービスの2社が担当するという役割分担である。

 市が2014年1月に公表した審査講評によれば、清水建設グループの提案がほかのグループの提案に比べとりわけ高く評価されたのは、民間施設にスーパーマーケットの導入を計画していた点だ。地元の期待に応える提案が、選定につながったと言える。

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