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事例研究

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オープンデータで学校給食献立表アプリ、生駒市における市民協働

柏崎 吉一=エクリュ【2017.11.13】

給食献立表アプリ「4919(食育)for IKOMA」は、生駒市が公開している給食予定献立表のオープンデータを利用したアプリだ。アプリ誕生の背景には地域の活性化に前向きな市民と行政をつなぐ様々な取り組みがある。アプリを開発したねらい、オープンデータ推進のポイント、今後の展開に向けた思いなどを、開発者や自治体職員などキーパーソンに取材した。

「4919 for Ikoma」の画面例(資料:生駒市)

 「4919(食育) for Ikoma」は、奈良県生駒市内の小学校で提供される給食の献立、摂取カロリー、栄養バランスが一覧できるアプリだ。特徴は、イラストを活用して見やすいこと、そして、給食に含まれるアレルゲン(アレルギーの原因物質)を参考情報として閲覧できることである。

 iOS版は、2017年3月に開催された「IKOMA Civic Tech Award 2016 生駒の未来アプリ・アイデアコンテスト 最終審査会・表彰式」で、「アプリ部門最優秀賞」と「いこまの未来市民賞アプリ部門」のダブル受賞を獲得した作品だ。Android版は2017年9月にリリースされた。いずれも無償でインストールして利用することができる。

 このアプリを開発したのは、奈良先端科学技術大学院大学の学生だ。現在、情報科学研究科 ユビキタスコンピューティングシステム研究室 博士前期課程2年の河中祥吾氏がiOS版を、同研究室 博士後期課程2年の松田裕貴氏がAndroid版を作成した。

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「4919 for Ikoma」を開発した奈良先端科学技術大学院大学の河中氏(上)と松田氏(下)(写真:柏崎 吉一)

 河中氏は開発の経緯をこう振り返る。

 「生駒の地域課題の解決や魅力発掘・発信をテーマに行われたアプリコンテストで、子育てに適した街である生駒をアピールするため、子供の成長に重要な『食』に注目しました。また、学校給食でアレルギーによる事故を防ぐ社会的な意義を踏まえた上で、アプリ開発の方向性を決定しました」

 松田氏、河中氏の2人は同大学院大学の先輩後輩の関係で、センサーや機械学習などの情報技術を活用した人間の行動認識や、ユーザ参加型都市センシング、ウェアラブルコンピューティングなど、モバイル・ユビキタスコンピューティングに関する研究を専攻している。

 河中氏は、2016年12月に行われた生駒マッピングパーティーに参加し、地図(OpenStreetMap)に建物や道路などの地物を表示するアプリ(ParmoSense)のiOS版を作った。「この過程で身につけたiPhoneアプリの技術を別な領域でも活用してみたい」(河中氏)と思っていた折に、IKOMA Civic Tech Award 2016に個人として参加した。ここで開発されたのが4919 for Ikomaだった。2017年9月からは、松田氏を含めて、Androidアプリの開発やWebページの作成を行う上でチームとして活動している。

給食のアレルゲンや摂取カロリーもアプリで確認

 4919 for Ikomaでは、給食の献立に含まれるアレルゲンや摂取カロリー(kcal)も参考情報として確認できる。いずれも生徒に配布するプリントに記されていた情報だったが、手許のスマホアプリからも容易に見られるようにした。

 「日本では食べ物アレルギーをもつ子供は、20人に一人。思った以上に多くの子供や親が給食に心配を抱えていることを初めて知りました。ただ、(アプリ開発やデータ分析に適した機械判読しやすい)オープンデータとしてアレルゲンに関する情報が公開されている自治体は、調べた限りでは2017年3月当時、生駒市も含めて見つかりませんでした。これから4919 for Ikomaを通じて、私たちに身近なアレルギーについて多くの人に関心をもってもらえればと思います」(河中氏)

 デザイン面では、親しみやすさと直感的な操作性を心がけて開発した。

 「献立表の中にある代表的な文字列に基づいた条件分岐を作り、最も適切な画像が表示されるように決めています。ただ、まだ改良の余地はあります。メニューとのさらなるすり合わせは今後の課題です」(松田氏)

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