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事例研究

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官・学と工務店で空き家活用推進

山梨県富士吉田市 Key Word/旧歓楽街再生、産学連携

山本 恵久【2017.8.7】

『日経アーキテクチュア』2017年7月13日号「特集 地域に活力生む 「巻き込み型」仕事術」より

富士山の登山口として知られる山梨県富士吉田市。高度成長期には日本有数の歓楽街「新世界通り」が栄えるも、近年は空き家が目立つ。地元工務店の2代目は、行政や大学と連携して再生に取り組み、自ら店を開くまでに至った。

〔写真1〕若手の移住者らと協働
旧歓楽街の空き店舗を3店の飲食店に再生した「まる」「さんかく」「しかく」にて。改修工事は滝口建築が担当した(写真:三上 美絵)
[画像のクリックで拡大表示]

 「山に囲まれた田舎で、文化的なものが何もないと感じていた。とにかくここを出たかった」──。富士吉田市で工務店を営む滝口伸一氏〔写真1中央〕は18歳の頃の焦燥感をそう表現する。

 長男ゆえに周囲から、ゆくゆくは家業を継ぐものと言われて育った。だが、青春映画に感銘を受け、高校卒業後に両親の反対を押し切って上京し、映像業に進んだ。ドキュメンタリーやCM制作を手掛けたものの体調を崩し、2012年にUターンした。

 大人になった目に、意外に故郷には魅力があると映った。「目の前に迫る雄大な富士山。東京都心から車で1時間半と近いうえ、家賃は安い。市内の別荘地には文化人など面白い人が集まっている」

 半面、空き家の多さも目についた。商店街や歓楽街には古い建物が打ち捨てられ、荒れ果てている。一方、新築住宅はハウスメーカーに占められ、実家の工務店である滝口建築は下請け仕事が中心になっていた。

 このままハコだけつくっていたのでは駄目だ──。滝口氏は地場工務店の役割を自問自答した。「家づくりを通じて、この地域らしい本当の意味で豊かな暮らしをつくり、守ること。それこそ地元と密接なつながりを持つ工務店にしかできない仕事だ」。この思いは日増しに強くなっていった。

写真1左:中川 宏文(なかがわ ひろふみ)
富士吉田地域おこし協力隊
1989年長崎県生まれ。東京理科大学工学研究科建築学専攻修士課程2年だった2015年に、富士吉田地域デザインコンペティション物件改装部門で最優秀賞を受賞。卒業後は東京の設計事務所「O.F.D.A.」に籍を置きながら、富士吉田地域おこし協力隊として富士吉田市に移住
写真1中:滝口 伸一(たきぐち しんいち)
滝口建築代表/リトルロボット代表
1976年富士吉田市生まれ。地元の工業高校を卒業後、東京の制作会社で映像ドキュメンタリーを手掛けてきたほか、舞台プロデューサーなども務めた。2012年にUターンし、実家の工務店「滝口建築」を継ぐ
写真1右:齊藤 智彦(さいとう ともひこ)
富士吉田みんなの貯金箱財団代表理事
1984年東京都生まれ。中国の中央美術学院で彫刻を学び、その後ニューヨーク、ベルリンで活動。2009年に慶応義塾大学総合政策学部に入学し、富士吉田プロジェクトに参加。13年に同地に移住し、市の協力の下、まちづくり会社「富士吉田みんなの貯金箱財団」を設立
次ページ写真2左:赤松 智志(あかまつ さとし)
hostel & salon SARUYA共同代表
1989年千葉県生まれ。慶応義塾大学在学中からまちづくりに興味を持ち、富士吉田での調査研究に参加。2013年に富士吉田市に移住し、地域おこし協力隊として空き物件の活用をテーマに活動。15年にゲストハウス「hostel&salon SARUYA」を開業
企画・運営
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