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事例研究

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「ごちゃ混ぜ」で街を救う、輪島カブーレ(石川県輪島市)

福祉施設を軸に「面」で活性化し、事業性高める

高市 清治=日経アーキテクチュア、萩原 詩子=ライター【2017.6.1】

高齢者住宅や保育所などの福祉施設を軸に、温浴施設やカフェなど様々な施設を街に点在させる街づくりが目立ち始めた。人や建物が「面」的に混ざり合うことで、街の利便性と施設の事業性を同時に高める狙いだ。「日経アーキテクチュア」2017年4月27日号に掲載された「『ごちゃ混ぜ』で街を救う」より、輪島カブーレ(石川県輪島市)の事例を紹介する。

 「ごちゃ混ぜ」と「開放」。社会福祉法人の佛子園(ぶっしえん)が取り組む街づくりの特徴は、この2語で表すことができる。石川県輪島市で整備中の街づくりプロジェクト「輪島カブーレ」は、その最新形だ〔図1〕。

〔図1〕街の中心にサ高住や温浴施設などを点在させる
輪島カブーレは石川県輪島市の中心部で進められている。繁華街に近い住宅地に温浴施設や子育て支援施設、高齢者向け住宅などを点在させ、住民の利便性の向上を図る。移住者や観光客を呼び込むことも狙う(資料:五井建築研究所)
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佛子園の取り組み
人も施設も「ごちゃ混ぜ」に

 市の中心部に、温浴施設やウェルネス施設(スポーツジム)、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)、子育て支援施設など複数の施設を整備・運営する〔図2〕。高齢者デイサービスセンターなどの福祉施設だけでなく、飲食店や売店なども混在させる。これが「ごちゃ混ぜ」だ。

〔図2〕空き家や空き地を利活用
輪島カブーレの街並みイメージパース。点在する空き家や空き地などのストックを活用。街の空洞化を食い止めると同時に、にぎわいを生む(資料:五井建築研究所)
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 温浴施設の利用は有料だが、一定数の近隣世帯は無料で利用できるようにする。輪島カブーレでは、約180世帯を予定している。また、交流施設として位置付けている自治室は、近隣の学生などが自由に出入りできるようにする。これが「開放」だ。

 高齢者や若いカップル、家族連れなどが分け隔てなく飲食店で食事をし、温浴施設で露天風呂に入る。近隣住民も観光客も利用する。

 「年齢や障害の有無などに関係なく、色々な人が集まり、働き、日常的に関わり合う。そうすれば街が元気になる」。佛子園の雄谷良成理事長は、輪島カブーレの狙いについてこう語る。

 銀行の融資のほかに、国土交通省の空き家再生等推進事業や都市再構築事業などの補助金も活用。輪島カブーレを担当する佛子園の清水愛美理事は、「事業費は10億円超を想定している」と語る。各施設の開業は、2018年4月ごろの予定だ。

 佛子園はこれまで、石川県内の複数の市街地で廃寺や国立病院跡地などを利活用。温浴施設や福祉施設などから成る「ごちゃ混ぜ」の複合施設を整備し、運営してきた。

 佛子園が運営している施設は、どれも障害者が働く「就労支援施設」なので、建築基準法上の優遇措置がある。例えば、第一種低層住居専用地域などでは通常、認められない店舗も、就労支援施設として申請すれば建築確認を取得できる。また、固定資産税が免除されるなど、税制上も優遇される。事業性を高めると同時に、佛子園が運営する障害者福祉施設の利用者の就労先にもなる。

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