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宿泊型産後ケア施設を公民連携で整備、山梨県と市町村が共同利用

赤坂 麻実=ライター【2017.1.25】

家庭的な雰囲気や助産師の言葉、温泉などでリラックス

利用者から評判のよいジャグジー付き風呂(写真:編集部)
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2階の空間もゆったりとつくられている。木を多用した落ち着いた雰囲気だ(写真:編集部)
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 産前産後ケアセンターは、出産から4カ月以内の母子が宿泊できる部屋を6室備える。山梨県助産師会が、準備段階から県のヒアリングに応じて意見を出すなど、運営に協力しており、「病院とは異なる家庭的な雰囲気を持ち、子育てで不安を持つお母さんたちがホッとできる場所を目指した」との意向が、センターの施設のインテリアや運営などに反映されている。施設の愛称を“ママの里”としたのも、困ったことがあったら頼れる“実家”のような存在になりたいと思ったからだという。センター長、副センター長を含め、12人の助産師と非常勤の保育士1人、パート10人が交代制で勤務している。

 センターでは「とにかく休みたい」「授乳の不安を解消したい」などの利用者の意向をていねいに聞き取り、授乳や抱っこの際には「それで大丈夫よ」と助産師が声をかけることで、利用者が安心・満足できるように努めているという。産前産後ケアセンターの榊原まゆみセンター長は「不安そうにしていたお母さんたちが、退所時には子育てに対して前向きな気持ちになり、明るい顔になって、それぞれの家へ帰っていけるようになることが、この施設の最大の目的」と語る。

 設備の目玉は、温泉を利用するジャグジー付きの浴室だ。源泉施設は定期借地権の対象範囲に含まれないが、湯量豊富な県有の源泉から施設内の浴室に温泉を引いている。「産後は身も心も疲れていて、人によっては寝不足や肩こり、腰痛、腱鞘炎などに悩まされがち。まず、体をほぐしてもらうと、利用者の表情が明るくなるし、母乳の出もよくなる」(榊原センター長)との効果を狙う。

 県も「ラグジュアリーな広々としたバスルームや、空間のゆったりとした使い方などは、公設ではおそらく実現できなかった。民間の力を借りて正解だったと強く感じた」(榊原センター長)としている。利用者からも浴室に対する評価が高く「体がほぐれた」「ゆっくりお風呂に入れたことがうれしかった」などの声が聞かれる。

 建物の内外装には木を多用し、インテリアも派手な色使いは避けることで、利用者が心安らぐ空間を目指した。また、間仕切り壁の代わりにカーテンでゆるやかにスペースを区切り、空間を広く感じられるようにしている。太陽の光を多く取り入れられるよう、開口も大きく取った。庭には、山梨県周辺の名産であるブドウやナシなどの「甲州八珍果」の木々を植え、片隅には菜園や足湯を設けるなど、柔らかな雰囲気を生み出す工夫を随所にこらしている。

フロアのレイアウト(資料:健康科学大学)
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宿泊室。洋室4室、和室2室を用意した(写真:編集部)
庭には足湯を設置。採光を考え、施設の窓は大きい(写真:編集部)
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1階の食堂。アコーディオンの仕切りを開けると隣の多目的スペースと一体的に利用できる(写真:編集部)
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企画・運営
  • 日経BP総研


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