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地銀が支援、観光振興は県境をまたいで

静岡銀行の大橋弘常務執行役員に聞く

渡辺 博則=日経BP総研 ビジョナリー経営研究所【2018.1.11】

有力地銀の静岡銀行は、2015年に「地方創生部」を立ち上げ、産業振興や企業の育成、地域活性化などで実績を積み重ねている。まず力を入れたのが、「観光」と「農業」だ。地方創生に即効性がある有望分野と考えている。同部を率いる地方創生担当営業副本部長常務執行役員の大橋弘氏に、現状と課題、今後の計画、さらにこれからの地方創生、公民連携のあり方などについて聞いた。

(写真=清水真帆呂)
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――まずお伺いしたいのが、なぜ地銀内に「地方創生部」をつくられたのか。その狙いなどから教えてください。

 地方創生部は、2015年の6月に新しい部として立ち上げました。当時、増田寛也さんが座長の「日本創成会議」のレポートの中で、日本の少子高齢化は世界一のスピードで進んでいて、2040年には896の自治体に消滅可能性があると指摘されて話題になっていました。そうした中で当時の静岡県にも、北海道の次に人口が減っているという実態がありました。

 このままでは、人口減によって地元の市町が経済的な活力を失ってしまう。地元で商売をしているわれわれ地域金融機関も、真剣に危機感を持ってやっていく必要があると考えて、地方創生部がスタートしたわけです。地域の未来のために活性化策をやっていく、その取っ掛かりだったと思っています。今部員は15人いるのですが、半分以上の8人が自治体や商工会議所、観光DMOなどに出向しています。

――創部3年目。どのような成果が上がってきているのでしょうか。

 例えば三島市に「三島スカイウォーク」という日本一の長さの人道吊り橋があります。この建設事業の支援を発案当初から行っていたのですが、2015年11月に完成してから1年で160万人。今年でオープン2年ですが、2017年は200万人を超える観光客が来ています。

 2017年の5月にオープンした道の駅「伊豆ゲートウェイ函南(かんなみ)」(静岡県函南町)は、弊行がPFIの主幹事となり、県内で初めて道の駅を民間主導でつくった事例です。こちらも当初年間70万人の予想だったのですが、今は100万人に上方修正しています。

 地域開発の案件を進めるには、行政と関わらないといけないのですが、一番うまくいくのは、行政に一生懸命規制緩和をしてもらって、民間主導で事業を進めていく形ではないかと思っています。民間主導、行政の規制緩和というパターンです。函南の道の駅でもそうでしたが、土地活用をしようにも、数十年前にできた土地の利用区分などがまだ残っていたりしますから。

2017年5月にオープンした道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」のホームページ
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――つまり、まずは観光分野に力を入れられたということでしょうか。

 地方創生には、人口減を止めるなど2世代、3世代にわたる長期的な取り組みをやらなければいけない部分もあるのですが、まずは比較的短期的に、即効性があるものは何かと考え、それは観光と農業でないかと結論づけました。ですから今は、観光と農業に力を入れて取り組んでいます。

 まず観光でいえば、人口減で地方の消費が落ちこんだ時の1つの試算として、人口が1人減った時に、7人の観光客を呼び込むと消費がカバーできるというものがあります。例えば1000人減ってしまった場合は7000人観光客を増やせば、交流人口の増加によって、地元の消費減少はカバーできるということです。観光には、こうした可能性があります。

 ただ、地方創生というのは、隣の市町から何かを奪って持ってきても、地域としてはゼロサム・ゲームになってしまいますので、それだと意味がありません。広域連携の中で、ほかから新たに人を呼び込むとか、新たな産業を創業するということをやらなければならないのです。

――なるほど、ゼロサムではなくて、広域連携が大事なのだと。

 はい。そうした広域連携の動きとしては、箱根と伊豆の観光活性化をしようということがありまして、弊行と横浜銀行が連携協定を結びました。これに行政がすぐ反応してくれて、静岡県と神奈川県もその枠組みに入って、今はもう三島の商工会議所や、箱根・小田原の商工会議所もその枠組みに入っています。連携しても得てして箱を作って終わってしまうケースも多いのですが、当初からスピード感を持ってワーキンググループを3つ立ち上げて、すでにいくつかの結果を出しています。

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