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“公設民営”なら、古民家活用で民間も自立できる

一般社団法人ノオト代表理事 金野幸雄氏に聞く

茂木俊輔=ライター【2017.12.14】

活用提案型以外にもさまざまな手法

――歴史的建築物の活用には追い風が吹いているわけですね。活用提案型指定管理方式のほかにも、活用を公民連携で進める手法があると指摘されています。

 一つは、活用提案型指定管理方式にデザインビルド(DB)方式を組み合わせたものです。過去に関わったプロジェクトのなかにも、この方式を採用できれば、もっと効率的だったと思えるものがあります。

 DB方式なら、民間事業者自らが実施設計者でもあり施工者でもあるため、収益施設の設計監理に直接関われるからです。直接関われないと、私たちの意見が聞き入れられないこともあります。ある改修プロジェクトで、構造補強部材を施工者は無垢の木材にしたいという考えでしたが、私たちは文化財保護の観点から元の部材と区別できる金属フレームにしたいと申し入れていました。打ち合わせの場では金属にすることに落ち着いたものの、現場に出向くと、実際には木材になっていたということもありました。収益施設の設計監理は、そこで営む収益事業の成否を左右するだけに重要です。

 このほか、コンセッション方式や都市公園法を活用した方式も考えられます。

 我々は関わっていませんが、コンセッション方式の例には、法務省が奈良市内に所有する旧奈良少年刑務所を保存・活用する事業があります。施設を重要文化財に指定したうえで、監獄ホテルなどとして活用することで保存を図るというのは、画期的な出来事です。

 都市公園方式を取る例としては、奈良公園内の吉城園の保存・活用事業があります。奈良県が吉城園周辺地区を奈良公園区域内に取り込んだうえで、民間事業者による文化財建造物の活用や宿泊施設の新設を、都市公園法に基づいた公園施設の設置管理許可の手続きで実現しようとしています。

古民家などの歴史的建築物を活用したまちづくりについて語る金野氏(写真:加藤 康)
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古民家活用の官民連携手法。実施方針の策定から管理運営に至る官民の役割分担を示す。図中の■は官、○は民を表している(資料:ノオト)
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――公民連携で歴史的建築物の活用を図る事業を通じて目指しているまちや集落の姿とは、どのようなものですか。

 古民家を再生し、そこでIターンやUターンの若者が事業を営むようになれば、移住者や定住者が増え、雇用が生まれます。まちや集落の中でそうした事業が展開されていけば、それは地方創生につながっていくでしょう。古民家の活用という一つの施策で、空き家問題の解消という地域課題だけでなく、雇用の創出や移住・定住の促進といった地域課題まで併せて対応できるわけです。

 そうしたクリエイティブな施策で、ヨーロッパにみられるような、旧市街があって、その郊外にオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)がある地域をつくりたい。そうした地域をつくることができれば、ヨーロッパの人が訪ねて来るはずです。

 ショッピングモールとコンビニエンスストアだけで生活しているような地域を観光客が訪ねたいと思うでしょうか。グローバルなプラットフォームの上に、地域の歴史や文化に根差したローカルでクリエイティブな拠点が重なり、それらがネットワークを組んでいるような国土構造をつくっていかないと、日本は、だれも訪ねたくならない、つまらない国になってしまいます。

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