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「地方創生」の順番は、まず個人、家族、コミュニティ、そして地方

アウトドアを軸に地方創生に挑む――スノーピーク山井太社長に聞く

渡辺 博則=日経BP総研 ビジョナリー経営研究所【2017.9.4】

全都道府県に最低1つは、高品質のキャンプ場をつくりたい

――ところで、十勝と結びつくきっかけは、どういったことだったのですか?

 十勝の場合は、ファーストネームで呼んでいる友達、いわゆる「まぶだち」というのが30人ぐらいいます(笑)。いろいろなご縁があった。帯広市の米沢則寿市長が、私のことをご存じで、講演に呼んでいただいたりもした。私は燕三条の人間なのですが、十勝には元々仲間がいて、最終的に市長に呼ばれて、「米沢さんにも呼ばれたから、みんなでやらかしましょう」といったことになったわけです。

 そして、十勝にはワールドクラスの自然があります。私の目で見ると、「日本語が通じるカナダ」「日本語が通じる米国のオレゴン」みたい感じ(笑)。風景とか自然のスケール感とか、カナダやオレゴンとあまり変わらない。

――なるほど、そうした地元とのつながりがあってDMOもできた。DMOという形態は、山井社長から見て、観光開発事業を進めやすいものだったのでしょうか。

 スノーピークが十勝にしっかり根を下ろしても、1社だけだと、十勝全域の観光戦略、資金をつくれるかといったら難しい。ですから、公のオフィシャルな戦略をそこで立てていけるというところが、DMOの大きなメリットなのかなと思っています。

――地元の人たちとの関係は、どのように考えていますか。

 十勝のような、恵まれた自然があって、しかも市長に熱意があり地元にやる気のある若者もいるところに、どうして私たちが入っていかなければいけないか。それは、地元の人は生まれた時から十勝の自然の中で育っているので、そこがよそと比べて非常に恵まれた資産を持っていることに気づいていないんです。なので、私たちが行って「ここはワールドクラスの自然があって、本当に日本語が通じるオレゴンです」と言う必要がある。そうすると初めて、「そうなの?」って気づくんです。

 DMOについては、基本的には私たちがずっと十勝にいるわけにはいかないので、最終的には地元の人たちが自分たちで動けるような体制づくりをお手伝いする、ということだと思っています。

 私たちはもちろんそのきっかけは作りますし、お手伝いは一生懸命やりますが、地元の人たちが全く何もやらないとなると、地方創生にはならないですよね。ですので、我々が地域に行って仕事をやるかやらないかを決める時には、基本的に条件が2つあって、1つは首長に熱意があるということ。熱意だけではダメで、実行力があるかどうかということを含めてですけれど。それともう1つは、地域の若い人たちと我々がちゃんと連携してやっていけるかということですね。こうした条件をクリアしているところでないと、うまくいかないと思っています。

――十勝ほど自然資産が豊かな地域はそう多くはないと思います。熱意があれば他の地域でもどうにかなるものでしょうか。

 日本の地方というのは、たいてい美しい自然があります。十勝のようなスケールではないかもしれませんが、どこでもきれいな自然はあります。私のアウトドア・パーソンとしての望みとしては、全都道府県にそれぞれ、「ここはいいキャンプ場だな」と思うものを最低1つはつくりたいと思っています。

 キャンプ場自体は、日本国内に2000~3000カ所ぐらい現存しているのですが、スノーピークの目で見て、今のキャンパーたちが望んでいるクオリティに達しているキャンプ場は、たぶん30カ所ぐらいでしょう。数はあるけれど、いいキャンプ場がまだまだ少ないんです。

 ですから例えば、日田という恵まれた自然があるところに、実際にいいキャンプができる優良キャンプ場をつくることが、そのままキャンプの振興につながります。地域にとってもいいことだし、アウトドア・パーソンにとってもいい。結果的に、製品・サービスを売る私たちにとってもいい、と(笑)。

――それは、スノーピーク主導で新たに開発していくというイメージですか?

 自治体が持ってらっしゃるところを含めて、どちらかというと今すでにあるところをリファインするほうに加担したいなと思っています。私どもが新たに土地を取得して、木を伐採してつくるのは、自然破壊になる恐れもあってナンセンスなのかなと考えています。

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