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地域医療連携推進法人を核に「人づくり」「まちづくり」

須賀川市における地域包括ケア――公立岩瀬病院院長 三浦純一氏に聞く

井上俊明=健康・医療ジャーナリスト【2018.6.1】

2025年に向けて多くの自治体が構築を急いでいる「地域包括ケアシステム」。その構築のカギを握るのが、医療・介護をはじめ様々なサービスを提供する事業者間の連携だ。福島県須賀川市では、公立・民間の3つの医療機関が「地域医療連携推進法人」という仕組みを活用して、地域包括ケア、さらには人づくり・まちづくりを一体となって推進しようとしている。中心的存在である公立岩瀬病院院長の三浦純一氏に、これまでの経緯や今後の取り組みを聞いた。

(写真:阿部勝弥)
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病院単独での存続は難しい

――「地域医療連携推進法人」は、昨年スタートしたまだ新しい制度で、今年4月1日までに全国で6法人が認定されています。仕組みとしては、自治体のほか、医療機関を運営する医療法人、介護事業を行うNPOなど非営利の法人が社員として参画して、統一的な医療連携推進の方針を決めたり、そのための具体的な業務などを行ったりするということになります。公立岩瀬病院での現在に取り組み状況について教えてください。

 私が院長を務める公立岩瀬病院では、2017年4月から新しい「公立病院改革プラン」の運用を始めたのですが、そのなかに「地域医療連携強化のための地域医療連携推進法人の活用の検討」を掲げました。当院は須賀川市、鏡石町、天栄村、玉川村で構成する公立岩瀬病院企業団が経営する279床の病院で、同じ須賀川市にある2つの民間医療機関とともに、地域医療連携推進法人(以下「連携推進法人」)の設立を目指しています。民間の須賀川病院(114床)を経営する医療法人平心会と、池田記念病院(82床)および池田温泉病院(120床)を経営する医療法人三愛会の2つです。いずれも地域に密着した病院でこれまでにも連携協定を結んで患者の紹介や情報交換を行ってきましたが、さらに踏み込んだ連携を行うために、連携推進法人という仕組みを活用することにしたのです。

 福島県は東日本大震災と原発事故の影響で、若者の流出という問題に直面しています。須賀川市の人口は今約7万7000人ですが、2040年には今より約3割減ると試算され、病院単独での存続は難しくなってきます。そこで連携推進法人を活用してまずは緩やかに連携し、徐々に規模縮小を図っていこうと考えたのです。現在、法人の定款の素案を県に相談している段階です。

――4病院で600床近くあるベッドの削減や、医療機能の見直しにも手をつけるそうですね。

 ええ。120床ある池田温泉病院の療養型のベッドのうち60床を池田記念病院に移し、それらを池田記念病院で集中的にリハビリテーションを行う病床にする計画です。当院も既に56床を削減した上、48床を急性期患者を受け入れるベッドから地域包括ケアを担うためのベッドに転換しました。当院の得意分野は内視鏡を使った手術や感染症治療、須賀川病院は循環器領域、三愛会の2病院は整形外科や慢性期医療とそれぞれ特徴があります。こうした強みを生かして互いに連携し、地域で完結できる医療体制を築いていこうと考えています。まずは1団体2法人でスタートの予定ですが、他の医療機関などから参加の希望があれば拒むつもりはありません。

 もっとも地域包括ケアシステムの構築は、医療や介護だけの問題だと捉えてはいません。確かに高齢者と関係が深いテーマではありますが、本質は「人づくり」であり「まちづくり」だと考えています。こうした考え方を分かりやすく示したのが下に掲げた構想図です。

須賀川市地域包括ケアマップ「わたしたちのまちの包括ケア」(資料:公立岩瀬病院)
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