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オープンデータは利用者視点で公開を、国の役割は仕様やルールの整備

内閣官房 政府CIO上席補佐官 平本健二氏に聞く

聞き手:井出 一仁=日経BP総研 イノベーションICT研究所、柏崎 吉一=エクリュ【2017.5.30】

そろそろ「なんでも自前」を変える時期

――オープンデータの公開を支援するために、自治体向けに国がツールを一元的に提供するようなやり方もあるのでは?

(写真:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 ツールについては、国が何でも主導することではないと考えています。国はあくまで最低限の仕様やルールづくりに集中します。ツールは市場のなかでその時々でよいものを選んでいけば、デザイン性も高められ、コストも抑えられます。それも官民連携だと思います。

 例えば、自治体が自前で構築・運用するWebサイトではなく、民間のホスティングサービスを利用したり、他の自治体と相乗りしたりして、そこにデータカタログを公開するケースも増えていくでしょう。ホスティングサービスもデータカタログを作成すためのソフトウエアもいろいろあります。財政的にも潤沢ではないわけですから、なんでも自前でやろうとする方針をそろそろ変える時期だと思います。

 職員も日頃の課題に対する解決策に気づいて自分で対応できることもあれば、それぞれの得意分野を生かして市民と一緒に解決してもいいでしょう。

 ぶれてはいけない点は、官や民など関係者の連携により、利用者の視点でよりよいサービスをやろうよ、ということです。いわゆる、サービスデザイン思考*の考え方です。もともと行政職員は、まちや暮らしをよりよくしていこうという志で入庁したはずですから、迷ったらその初心に帰ればいいと思います。

*サービスデザイン思考とは、利用者の行動や感情まで含めた体験全体が最良となるように、サービス提供者の視点ではなく、利用者が望んでいることを理解したうえでサービス全体を設計する考え方。英米政府が電子行政サービスの原則として採用しており、日本政府も2017年6月頃に決定する「新たな電子行政の方針」に盛り込む予定。

――オープンデータの推進における今後の展望は。

 単発的な事例を公開する段階は、そろそろ一巡したのではないでしょうか。これからはさらにストーリー性が求められます。先述のように、行政サービスを官だけで提供するのではなく、官民が連携して利用者の視点に立ったよいサービスをつくるためには、周りをうまく巻き込むことが必要です。

 開発したアプリケーションも国民の公共財産と考えると、ある自治体がつくったソースコードも関係者の合意や規約に沿った形であれば、オープンデータとして他の自治体が利用したり改良したりして社会全体の便益が高まるように流通できると考えています。

 これからは、アイデアをビジネス化、事業化するプロデューサーのような存在が求められるでしょう。ストーリー性とみんなを楽しませるような気持ちや遊び心が原点にあってほしいと思います。

 実はいま、さまざまな業種の体験学習に関するイベント情報を効果的に発信できないかと考えています。子どもたちの教育の側面からも重要です。それを実現するために、業種・業界を横断して流通するデータの形式が必要になります。その段階で、業種を横断したデータ流通の仕様の標準化をさらに進められればという戦略です。オープンデータとして公開されれば、そこからさらに新たな活用事例が生まれるはずです。

 皆さんの期待に応えられるよう、さまざまな取り組みを国としても進めているところです。ぜひ力を合わせて行きましょう。

平本 健二(ひらもと・けんじ)
内閣官房 政府CIO上席補佐官
平本 健二(ひらもと・けんじ) デジタル技術による行政サービス改革を担当。既存の行政の枠組みでは解決できなかった課題を、調査、検証からサービス展開まで一貫プロジェクトとして実施。国・自治体を通じた調達情報、支援制度情報総合サイトを構築・運用するとともに、文字・語彙・コードなどの基盤整備、Webサイトの抜本的な見直しなど、行政サービス改革を総合的に推進。センサー技術やAI(人工知能)などの先進技術の導入の検討に参加するとともに、ハッカソン等の技術者との協働イベントにも積極的に参加している。各種国際会議にも参加し、東京大学で次世代人材の育成にも取り組んでいる。経済産業省CIO補佐官も兼任。
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