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オープンデータは利用者視点で公開を、国の役割は仕様やルールの整備

内閣官房 政府CIO上席補佐官 平本健二氏に聞く

聞き手:井出 一仁=日経BP総研 イノベーションICT研究所、柏崎 吉一=エクリュ【2017.5.30】

共通語彙基盤を使った埼玉県の取り組みは画期的

――自治体でのオープンデータの取り組みに対する国の役割は?

 国の役割は、データの流通や利用を促すための仕様の標準化と、公開されたデータの二次利用可能なルールなどの整備だと考えています。前者の一つとして注力しているのが、情報共有基盤整備事業の一つである「共通語彙基盤整備事業」です。後者では「政府標準利用規約」や関係法令の整備を行っています。

 共通語彙基盤については埼玉県の58市町村が2016年3月に利用に関する合意を取り決め、2017年1月から順次データを公開しています(関連記事)。公共施設情報、イベントカレンダー、広報紙URL、観光地情報など10種類のデータの公開形式を共通化したのは、市町村の枠や業務分野を超える非常に画期的な取り組みです。各自治体が公開するオープンデータの項目に使われる語彙や書式、データベースの構造的な仕様などをそろえることで、企業や個人は市町村のオープンデータを横断的に利用したアプリなども開発しやすくなります。

「埼玉県オープンデータポータルサイト」のトップ画面
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 一例を挙げると、イベント情報や災害支援情報の年収要件などで「対象者」というデータ項目があります。これまでは、子どもであれば「6歳から12歳まで」という書き方もあるし、「小学生」という表記も混在していました。このような表記上のルールをそろえることで部署を超えてデータベース間の互換性が高まります。その結果、一度入力したデータの再入力の手間も省けます。

――自治体は国が定めた語彙にそろえていけば、共通化ができるわけですね。

 実は、用語の根拠となる法令や、目的の異なる各業種で使われる共通の用語(語彙)を抽出するのは、物事を抽象化する力と実務的な知見が求められ、なかなか一筋縄ではいきません。

 そこで、この共通語彙基盤で用いる語彙や技術的な仕様については、現場にある既存の用語やニーズを見るのはもちろんのこと、米国政府が進める「NIEM(National Information Exchange Model:米国政府と関係機関間の情報交換の標準的なモデル)」や「Schema.org」といった海外の有識者やコミュニティの取り組みも参照し、国際標準に基づく実用性と将来性を持たせています。専門家やアプリを開発するユーザーの声を反映しながら、よりよいものにしていきたいと考えています。

 また、2017年1月に経済産業省が開設した「法人インフォメーション」(省庁が保有する法人情報を一元的に閲覧できるサイト)も、裏側で共通語彙基盤やLOD(Linked Open Data)と呼ばれる国際標準の技術を利用しています(関連記事)。法人のポータルサイトですから調達、信用、制度に関する情報も欲しいという利用者の声を受けた「ストーリー」を描きながら、将来像を示しつつ拡充しています。利用者の声を聞きながら、より使いやすいものに進展させたいですね。

 ほかにも、東日本大震災後に復興庁などと協力して立ち上げたデータベースサイト「復旧・復興支援制度情報」があります。国や自治体が提供する各種支援情報を、個人や事業者がキーワードやカテゴリを基に絞り込んで検索できるサービスです。各自治体のデータはそれぞれの自治体のWebサイトなどで公開されており、そうしたオープンになったデータを集約しているため、このデータベースを利用すればワンストップで情報を探すことができます。

 実際はそれぞれの情報をひも付けるために、行政サービスの品目をひも付けるタグによってデータを統合しています。自治体が公開するデータがバラバラの書式やファイル形式ではなく、オープンデータとして標準的な形式で公開されれば、こうしたデータベース型のサービスも、より開発しやすくなるでしょう。

 さらに行政だけでなく、民間が提供するデータも組み合わせることで、図書館の蔵書検索サービスである「カーリル」のようなサービスも、もっと出てくるはずです。

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