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オープンデータは利用者視点で公開を、国の役割は仕様やルールの整備

内閣官房 政府CIO上席補佐官 平本健二氏に聞く

聞き手:井出 一仁=日経BP総研 イノベーションICT研究所、柏崎 吉一=エクリュ【2017.5.30】

「My広報紙」や「ちばレポ」はオープンデータの好例

――自治体のWebサイトですでにデータを公開しているといっても、紙のスキャンイメージやPDFファイルにとどまり、「オープンデータ」の要件(機械判読に適した形式で、二次利用可能なルールの下で公開されていくこと)を満たしていないケースもあります。市民や企業がデータをアプリや分析ツールに取り込むために、わざわざ手入力する手間がかかります。

 職員が事務作業で作成している表計算ソフトなどのデータをわざわざ紙に印刷したりせず、アプリケーションに依存しないファイル形式であるCSV形式などで公開すれば、市民側がデータを再入力する二度手間は減らせます。市民だけでなく、庁内文書を取り扱う職員にとっても、データを再利用しやすくなり仕事の生産性が高まります。電子行政の推進にもつながるでしょう。私はもともと電子行政の推進が担当ですが、オープンデータの推進も本質的に同じことから、府省や地域の取り組みを見てきました。

 興味深い事例の一つに、「My広報紙」があります。このサイトでは、全国各地の自治体が作成する広報紙の内容をWebで閲覧できます。その自治体に暮らす人だけでなく、他の自治体に住む人にも地域の魅力を伝えられるほか、自分の住む自治体の広報と比べることで、まちづくりに関心を持つきっかけにもなります。

「My広報紙」の最新号掲載画面
[画像のクリックで拡大表示]

 宅配の新聞の購読者数が減少傾向にある最近は、広報紙が新聞の折り込みでは届きにくくなっています。市民にすると、子育てや介護に関するイベント情報、利用できる助成金といった情報をWebで確認できるので便利です。防災や災害後の支援情報を探すのにも役立つでしょう。自治体もせっかく手間をかけて作成した情報がより多くの読者に届くのでうれしいと言います。まさにオープンデータを利活用したサービスの好例です。

 ただ、こうした取り組みに意欲的な自治体と、そうでない自治体の違いが、はた目にはわかりにくいことは残念に思います。取り組みの裏側をメイキング映像のような形で市民や、他の自治体の職員に見せると、もっと関心を集められたり、参考になったりするのではないでしょうか。

――オープンデータを推進したくても、財政面で厳しいと考える自治体も多いのでは?

 すでにあるものを有効活用すれば、橋や建物をつくるほどには、お金はかからないはずです。自治体がすべてをやろうとしないで、得意なことから着手すればよいでしょう。

 たとえば、市民から「オープンデータを活用したアイデアソンやハッカソンなどのイベントをやりたい」という提案があったら、市が保有する公会堂などの施設を活用してみてもよいでしょう。実施するイベントについては、「市の広報紙で取り上げますよ」と声をかければ、参加する市民にとっても励みになります。

 講演の依頼や参加の呼びかけで商店街や自治会に声をかけたり、大学と民間の連携をコーディネートしたりするのも、自治体の得意な分野のはず。こう考えると、案外お金をかけずにできることが数多くあります。関係者・参加者にはそれぞれ得手・不得手があるので、互いに得意なところを持ち寄って、苦手なところは補完し合おうという考え方が、市民協働などの趣旨にも合致します。

 先日、道路や公園ベンチの損壊を役所に知らせることができる千葉市のスマホ向けアプリ「ちばレポ」について興味深い話を聞きました。ちばレポを用いて、市民が自発的に、腐食したカーブミラーの根元の写真を撮って、市に知らせているそうです。放置すればカーブミラーが倒れてけがをする可能性もあります。市民がまちづくりを行政任せにせず、また言われてやるのではなく、自発的にこうした動きが出てきたら、そのまちはさらに暮らしやすくなるでしょう。市民がまちづくりに主体的に参加することが自治行政の本来の姿ではないでしょうか。

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