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デジタルでアートと土木の共存を

チームラボ 猪子寿之代表インタビュー

大井 智子=フリーライター【2017.6.7】

川や街を巨大なアート空間へと変える

阿波銀行本店のエントランスに常設展示されているチームラボの作品「Flowers in the Sandfall-Tokushima」(阿波銀行協賛出展作品)。徐々に花が咲き、そこに砂が滝のように落ちてくる様子をLEDの光などで表現したデジタルアート作品。人が近寄るとセンサーが反応して砂の滝が割れていく(写真:生田 将人)
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――最後に、土木構造物を装飾することについて、猪子さんの考えをお聞かせください。

 既に出来上がっている土木構造物を後から改修して装飾しようとすると、大きな手間やコストがかかります。僕らは、土木構造物の備える合理的な機能を損なうことなく、光や音、センサーなどの非物理的なものを加えて、圧倒的な異次元空間をつくり上げます。何か物質的な変更を加えるのではなく、外からプロジェクターを当てたり、川に球体を浮かべたり──。

 人は誰しも、非現実的な世界に包まれて日常を忘れたいと思うことがあります。圧倒的に美しいものに包まれたいし、そこに没入してみたい。僕らは、その場をデジタライズすることで、ユーザーが新しい体験をできる空間に変えていく。それによって、訪れた人たちは非現実的な体験をする。さらにセンサーを使うので、その空間が人々の存在によって変化していくのです。

 デジタル技術を活用すれば、川や公園、樹木に物理的な手を加えずに、自然を破壊せず、街を物理的に変化させることもありません。自然や街をそのままに、巨大なアート空間に変えることができれば、それそのものが観光資源になり、人々が集まってくると考えたのです。

 これまで、そうしたアート空間と土木構造物は分離されていたと思います。しかし、デジタル技術によって、アートと土木がより共存しやすくなったのではないでしょうか。

チームラボの猪子寿之代表(写真:生田 将人)
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