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健康のまちづくりには、総花的にならない“軸”が必要

「健康寿命延伸」で企業も巻き込む――菅谷昭松本市長に聞く

井上俊明【2017.9.5】

――健康寿命延伸都市の実現のために、2011年には自らが会長となって松本地域健康産業推進協議会を立ち上げました。次いで松本ヘルスバレー構想も打ち出していますね。

 この協議会は、産官学に市民や金融機関も巻き込んで、健康寿命延伸のプラットホームになるようにと設立しました。シンクタンクのアドバイスに基づく組織で、塩尻市なども含めた地域の意欲ある企業や団体が約300集まっています。健康分野で新たな産業を創出するのが目的で、時代を担う若者たちに、ものづくりへの関心を育てるのに貢献したいと思っています。人口の維持・増加にも、一役買うことを狙っています。

(撮影:佐々木みどり)
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――協議会の事業の一つに、2014年10月に設立された松本ヘルス・ラボの推進が挙がっています。

 シリコンバレーをもじった、松本ヘルスバレー構想を具現化するための組織が松本ヘルス・ラボです。健康・医療・福祉関連の産業が、健康意識の高い市民の協力・支援により、優れた製品やサービスを創りだす。この産民(官)の連携で、地域経済の発展を促し、雇用の場も創出する。そうすれば市の税収も増えて、市民の健康づくりにさらに予算を投入でき、ますます市民が健康になる――こうした好循環を生み出そうというのが松本ヘルスバレー構想です。

データや要望で住民・企業を橋渡し

 そして松本ヘルス・ラボは、市民と企業が一緒に健康価値を創造する場。市内にオフィスがあり、400人ほどの市民が会員として登録しています。会員は年3000円払って、毎年体力測定や血液検査などを受ける。そのデータがラボに蓄積されていきます。一方で健康関連の商品を開発している企業は、その商品を一定期間、モニターとして会員に使ってもらう。そうすることで、その商品の効果を示すデータも取れるし、健康意識の高い住民からの改善提案ももらえて、よりよい商品づくりに生かしていけるわけです。既にこうした仕組みをつくる自治体はほかにも出てきています。

――今後、会員を増やすために何か策がありますか。

 目標は1000人です。そのためのカギは「健康経営」だと思っています。企業が従業員の健康度アップを図ることで生産性の向上を目指す健康経営は、大企業を中心に広がってきていますが、地方は中小零細企業がほとんどなので、なかなか経営者が関心をもってくれません。健康経営に取り組む中小企業に会社として松本ヘルス・ラボに入ってもらおうと考えて、今、あちこちの会社を回っています。

――市長は、“がんの広告塔”でもあるそうですね。

 最初の選挙に出馬する直前、早期胃がんが見つかったのです。そこで当選の翌日に公表してすぐ入院し、開腹手術を受けました。2週間もたたないうちに公務に復帰し、それから14年間休むことなく市政に当たっています。市民も心配してくれるので、自分の内視鏡や血液の検査結果は市のホームページで公表しています。これをきっかけに、市民が自分の健康により関心を持つようになってくれればいいと考えています。

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