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職住を分離、覚悟を持って「脱・シャッター商店街」目指す

大船渡市長 戸田公明氏に聞く

聞き手:黒田 隆明【2017.3.9】

今まで通りでは、右肩下がりは避けられない

――ここでの行政の役割は、どのようなものになりますか。

(写真:井上 健)
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 この地区おける行政の役割としては、まず地域住民の安全な住環境の整備と、地域のあらゆる資源を生かした産業の振興ということになります。繰り返しになりますが、安全な住環境の整備については、土地区画整理事業の導入で安全な山側に換地を進め、そこに住宅を集積していきます。そして海側については、商業エリアとしての再建を進めているわけです。

 そしてもう1つ、観光などによって市外からの来訪者を呼び込むという役割が行政にはある。大船渡市では、観光ビジョンを新たにつくりました。これが商業エリアに対する側面支援にもなっていくと思っています。

 インバウンドも取り込んでいきたいですね。この近くにはクルーズ客船が停泊する場所があるんです。日本のクルーズ客船が年に数回寄港しているのですが、今後は外国のクルーズ客船にも来てもらおうということで、今、営業をしています。海外の方々にこのエリアに来てもらうことで、東日本大震災から復興した被災地の姿を見せられると思うんです。日本の力を感じていただけるのではないでしょうか。

――新しいことをやろうとするときに、市民からの反発はなかったのですか。

 「市長、これは駄目だよ」「こうした方がいいいよ」といったような電話が掛かってきたりしたことは、なかったですね。まちづくり会社の取り組みなどについてはおそらく、「新しいことをやっているんだろうな」と受け止めていただけているのではないでしょうか。

――市民の人たちも、「新しいことをやるべき」という意識が強いということでしょうか。

 それはあると思います。今まで通りのようなことをやっていたら右肩下がりになるということは、皆さん承知していると思います。というのは、震災前、大船渡の経済の規模は落ちていましたし、それ以上に人口が落ちていた。そういう厳しい時代でした。私が6年ちょっと前に市長になった時、初めての市議会での一般質問で、議員さんからこんなことを言われました。「市長、市民に夢を与えてくれよ」と。

 けれど、夢というのは私が与えるものなのか。昔の首長さんは、トンネルをつくります、道路をつくります、港湾を整備します……という夢を与えられたかもしれません。でも、今はそんな夢は与えられないですよね。私は、夢というのは、関係者がみんなで努力して、その努力の過程の中で見えてくるものだと信じているんですね。ですから私は、市長としての仕事を通じて、皆が夢を見られるようにしていきたいと思っているんです。

 市の復興事業には、市民の方々も期待していると思います。市の中心部で工事が始まり、出来上がるものは出来上がってきた。さて、これからどうなるんだろうということで、みんな期待していると思います。店舗の方々も、苦しんで判断した結果として出店を決めているでしょうから、覚悟を持ってやっていくでしょう。思いがあって、一生懸命やっていこうという方々ばかりですから、きっといいまちになっていくと思っています。

戸田 公明(とだ・きみあき)
大船渡市長
戸田 公明(とだ・きみあき) 1949年5月生まれ。大船渡市立盛小学校、大船渡市立第一中学校、岩手県立盛岡第一高等学校、東北大学工学部建築学科卒業。1986年米国ボストンにあるハーバード大学へ社命留学。上海営業所長、北京駐在員事務所長、香港営業所長を歴任。その後、医療法人勝久会の専務理事を経て、2010年12月、大船渡市長に就任。現在2期目。
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