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特集・公営住宅で公民連携

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小田急の駅前リノベ団地のうち2棟を借り上げ、座間市

将来の駅前整備も見据え、一時移転先として活用

茂木 俊輔=ライター【2015.12.17】

既存施設の活用で公共ニーズを満たす――。神奈川県座間市は遠藤三紀夫市長の方針の下、小田急線座間駅前のリノベーション団地の一部を市営住宅や子育て支援センターとして借り上げる。将来の財政負担に目配りしながら市営住宅の建て替え計画を進めるのに役立てつつ、将来の駅前整備に向けた鉄道事業者との関係構築を果たした。

小田急線座間駅前のホシノタニ団地。リノベーションで定評のあるブルースタジオが設計監修を手がけた。既存の4つの住棟のうち2棟を座間市が市営住宅として借り上げる。(写真:茂木 俊輔)
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座間市は神奈川県のほぼ中央に位置し、小田急線で東京・新宿まで約50分。面積:17.57km2、人口:12万8950人・世帯数:5万6151世帯(2015年12月1日現在)
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 このリノベーション団地は「ホシノタニ団地」。小田急電鉄が築50年前後の社宅4棟をリノベーションし、2015年3月、賃貸住宅として生まれ変わらせてきたものだ。4棟のうち1・2号棟(計40戸)を市が借り上げ、15年10月から入居者に転貸している。3・4号棟は民間賃貸住宅だ。

 座間市ではここを、建て替え工事中の一時移転先として期間限定で活用する。それによって、旧耐震基準の下で建設された市営住宅5カ所91戸を、2024年度までの間に用途廃止したり建て替えたりする計画を進めていく。

 第一弾は、用途廃止の2カ所と建て替えの1カ所の計3カ所。2015年度から解体工事を始めるのに併せて、入居者を借り上げ市営住宅で受け入れた。建て替える1カ所で工事を終えた時点で、入居者はそこにまとまって移ってもらう予定だ。

 第二弾は、用途廃止の1カ所と建て替えの1カ所の計2カ所。第一弾と同じように、2020年度から解体工事を始めるのに併せて入居者をホシノタニ団地で受け入れる。建て替える1カ所で工事を終えた時点で、入居者はやはりそこにまとまって移ってもらう。

座間市営住宅の建て替え計画(同市の市営住宅管理計画をもとに作成)
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 座間市の遠藤三紀夫市長は「小田急のリノベーション事業に市のニーズを取り込んでもらった。高度成長期に建設された団地の再生モデルにもなる」と説明する。

 実は市が第一弾で計画対象にする計3カ所の市営住宅は、もともとその場所での建て替えを予定していた。先行していた1カ所は敷地の一角に市営住宅を新しく建設し、そこを当面は入居者の一時移転先として活用しながら建て替え計画を進めていく予定だった。すでに実施設計の段階まで至っていた。

 一方で、市は2013年3月に「公共施設白書」を職員自らの手でまとめ上げ、それを基に公共施設マネジメントに取り組もうとしていた。「将来に向けて公共施設への投資のあり方を考え直さなければならない時期でもあった。公営住宅の建て替えについても財政負担を考えるとゴーサインを出せなかった」。遠藤市長はそう明かす。

 このとき遠藤市長は、維持・管理コストを抑えながら市営住宅の建て替えを進めていく可能性を探っていた。社宅建物の活用を計画していた小田急電鉄と連携し、その一部を借り上げることを検討していたのだ。建て替え工事中の一時移転先を既存の民間集合住宅内に一定の規模で確保できれば、維持・管理のコスト抑制が実現する。第一歩は市長のしたたかな提案から始まった。

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