日経BP総研が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」が実施した、働く世代2万人を対象にしたシティブランド・ランキング調査2017。「シティブランド・ランキング ―住みよい街2017」TOP200として結果をまとめたが、調査では「治安がよい」「買い物がしやすい」「夜間・緊急医療体制が整っている」といった32の評価項目ごとに、「住みよい街の条件と思うか」を尋ね、各評価項目に対する「重視度」も算出した。今回はシティブランド・ランキング調査2017の「番外編」として、項目ごとの重視度をベースに、ビジネスパーソン(有職者=働く世代)が重視する「住みよい街」の条件や、男女別・年齢層別の傾向について分析する。
住みよさで「生活インフラ」「安心・安全」面を最重視
今回の調査では、「安心・安全」「快適な暮らし」「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」「自治体の運」「街の活力」という8つの分野で、それぞれ4項目、合計32項目について集計し、ランキングを作成した。その際に、それぞれの評価項目について「住みよい街の条件と思うか」を尋ね、項目ごとの「重視度」も算出した。具体的には、「そう思う=100%」「どちらかといえばそう思う=75%」「どちらともいえない=50%」「どちらかといえばそう思わない=25%」「そう思わない=0%」として、加重平均値を算出し、それを重視度として用いた。
この重視度を見れば、働く世代にとって、どのような項目が、どの程度「住みよさ」として認識されるのか。「住みよい街」の条件が分析できる。さらに、さまざまな調査セグメントごとに重視度を見れば、男女別・年齢層別などの違いも見えてくる。こうした働く世代にとっての「住みよい街」の条件は、これからの「まちづくり」などにも役立つはずだ。それでは以下で早速、全体の動向から見ていこう。
まず、全体で重視度が最も高かったのは、「上下水道、ガスなどのライフラインが整備されている」の項目。続いて「治安がよい」「自然災害が少ない」「公共交通機関が充実している」の項目となった。重視度が80を超えたのは、これらの4項目。やはり「生活インフラ」「安心・安全」分野の項目は、おしなべて重視度が高くなる傾向があり、基本的な条件とも考えることができそうだ。
さらに、重視度TOP10で「生活インフラ」「安心・安全」分野以外の項目を見ていくと、「生活の利便性」分野の「買い物がしやすい」、「医療・介護」分野の「病院や診療所が多い」、「街の活力」分野の「街のイメージがよい」と「街に活気がある」、「自治体の運営」分野の「行政サービスが充実している」の項目が入った。このあたりの項目も重視度の高い条件となってくる。
一方で、「気候が穏やか」などの「快適な暮らし」分野の項目、「保育所や幼稚園が充実している」といった「子育て」分野の項目については、性別・年齢層の違いなどによって重視度が変わるため、全体では14位以降からの位置付けになったようだ。やはり性別やライフステージをあまり問わずに関係する分野・項目が、重視度の上位を占めてくる。
全体順位 | 項目 | 分類 | 重視度 |
---|---|---|---|
1 | 上下水道、ガスなどのライフラインが整備されている | 生活インフラ | 86.5 |
2 | 治安がよい | 安心・安全 | 86.2 |
3 | 自然災害が少ない | 安心・安全 | 82.5 |
4 | 公共交通機関が充実している | 生活インフラ | 82.3 |
5 | 買い物がしやすい | 生活の利便性 | 79.6 |
6 | 歩道など交通安全に配慮した道路が整備されている | 安心・安全 | 79.3 |
7 | 病院や診療所が多い | 医療・介護 | 78.2 |
8 | 便のよい幹線道路が整備されている | 生活インフラ | 76.5 |
9 | 街のイメージがよい | 街の活力 | 76.3 |
10 | 防犯対策が整っている | 安心・安全 | 75.6 |
11 | 行政サービスが充実している | 自治体の運営 | 75.0 |
11 | 街に活気がある | 街の活力 | 75.0 |
13 | 夜間・緊急医療体制が整っている | 医療・介護 | 74.8 |
14 | 気候が穏やか | 快適な暮らし | 74.0 |
15 | 図書館や公民館など文化施設が充実している | 生活インフラ | 73.8 |
16 | 自然環境が豊か | 快適な暮らし | 73.7 |
17 | 公共料金が安い | 自治体の運営 | 73.6 |
18 | 街が静か | 快適な暮らし | 72.5 |
19 | 税負担が軽い | 自治体の運営 | 72.4 |
20 | 保育所や幼稚園が充実している | 子育て | 72.0 |
21 | 教育機関が充実している | 子育て | 71.5 |
22 | 街に愛着がある | 街の活力 | 71.1 |
23 | 物価が安い | 生活の利便性 | 70.5 |
24 | 自治体による出産・育児・子育て支援が充実している | 子育て | 70.4 |
25 | 職住接近が可能である | 生活の利便性 | 70.3 |
26 | 行政からの情報発信が充実している | 自治体の運営 | 68.7 |
27 | 公園が多い | 快適な暮らし | 68.5 |
28 | 小児科/産婦人科が多い | 医療・介護 | 68.1 |
29 | 繁華街へのアクセスがよい | 生活の利便性 | 67.2 |
30 | 子ども向けの体育・文化活動が盛ん | 子育て | 67.1 |
31 | 地方自治に対する住民の意識が高い | 街の活力 | 66.5 |
32 | 介護施設が多い | 医療・介護 | 64.8 |
■シティブランド・ランキング―住みよい街2017―ランキングINDEX
|総合TOP200(1~50位)| 総合TOP200(51~100位)|総合TOP200(105~148位)| 総合TOP200(151~199位)| 北海道・東北エリアTOP10| 関東エリアTOP20| 中部エリアTOP20| 関西エリアTOP20| 中国・四国エリアTOP10| 九州・沖縄エリアTOP10| 調査概要| TOP10自治体詳細|