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全国自治体・視察件数ランキング2017

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行政視察の件数は、紫波町「オガール」が断トツで1位

「総合」「人口規模別」「インバウンド」ランキング編

井出 一仁=日経BP総研 イノベーションICT研究所【2017.11.9】

まちづくりでは市街地活性化に加え“環境”にも関心

 視察件数が多い上位30事業では、都市整備事業、文化型の複合施設の整備事業、移住促進事業、子育て・介護・予防医療に焦点を当てた福祉事業も目に付く。

 都市整備事業としては、1位のオガールプロジェクトのほかに、東京都豊島区の「区役所本庁舎」(5位)、愛知県豊田市の「とよたエコフルタウン」(10位)、富山市の「コンパクトなまちづくり」(12位)、宮崎県日南市の「商店街再生事業」(19位)などがある。

【総合5位】共同住宅部分(後方)と一体で建設された豊島区役所新庁舎 (写真提供:東京都豊島区)

 豊島区役所の新庁舎は、定期借地を組み合わせた市街地再開発事業として組合方式で取り組み、高層階の共同住宅部分と一体化した「としまエコミューゼタウン」として建設された。区役所10階の屋上緑化「豊島の森」や、区役所がある下層階の壁面を覆う「エコヴェール」と名付けた壁面緑化と太陽光発電パネルなど、環境整備事業を目的とした視察が多い。

 愛知県豊田市の「とよたエコフルタウン」は、無理なく快適な低炭素社会を目指す同市の取り組みのショーケース。映像などによる体感型パビリオンだけでなく、民間企業の参画によってITS(高度道路交通システム)や燃料電池車(FCV)による交通システム、ITやHEMS(Home Energy Management System)を活用したスマートハウスなど、敷地内で実物を体験できるようにしてある。各種環境技術、環境ビジネス、まちづくりを目的とした視察を引き付けている。

 全国初となったLRT(次世代型路面電車システム)「富山ライトレール」の導入や市内電車の環状線化(セントラム)など、公共交通を活用した中心市街地活性化事業の先駆けである富山市や、油津商店街の再生に民間から再生請負人を公募して計画以上の新規出店につなげた宮崎県日南市も、自団体での取り組みの参考にしようと、それぞれ50件前後の視察を集めた。

子どもに関わる視察は学校以外にも

【総合4位】東京三鷹市の小・中一貫教育 (出所:平成28年度三鷹市立小・中一貫教育校全7学園の評価(検証)報告の表紙)

 子どもに関わる施策も、総合ランキングに数多く入った。東京都三鷹市の「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」は、視察件数90件でランキング4位。2009年9月に全市で小・中一貫教育校(学園)の整備を終えた先進団体であり、2016年4月に「義務教育学校」の設置が法改正で可能になったこともあって、視察が相次いだようだ。保護者や地域も学校運営に参画するコミュニティ・スクールの取り組みを含め、成果や課題の調査が視察の目的になっている。14位の岐阜県多治見市の星ヶ台保育園は、アレルギー対応の設備などが注目されている。

 17位の東京都足立区の「子どもの貧困対策」は、世代間での貧困の連鎖を断つことを主眼に、経済的な困窮だけでなく、地域社会での孤立、健康上の問題、学校教育など、複合的な課題に対し全庁的に取り組んでいる事業。視察では、着手の経緯、実態調査の手法、計画・目標数値、ライフステージごとの事業展開、予算、組織体制、今後の課題など、自団体で同様の事業を実施するための具体的な質問が多い。

 ランキング8位の島根県邑南町の「日本一の子育て村構想」は、学校教育や母子保健などの子育て施策を、子育て世代の移住・定住の促進策の一環に位置付けた取り組みである。人口約1万1000人でランキング上位30団体では最少の町ながら、定住施策の観点で81件もの視察があった。

 移住・定住施策としては、静岡県の「"ふじのくにに住みかえる"静岡県移住相談センター」と、徳島県の「サテライトオフィスプロジェクトにおけるとくしま新未来創造オフィス」が、視察件数87件で6位に並んだ。静岡県移住相談センターは東京都千代田区のJR有楽町駅前に開設され、運営はNPO法人に委託。移住希望者の個別相談に応じており、視察目的は移住希望者のニーズ把握が多い。徳島県の新未来創造オフィスは、神山町など県内4カ所に設置。地方創生人材の育成や、地域の魅力の発信などに取り組んでいる。サテライトオフィス進出企業や地域住民などとの交流を通じた若手職員の研修も実施している。

 高齢者福祉に関わる事業で上位30位以内にランクインしたのは、福岡県大牟田市の「認知症ケアコミュニティ推進事業」(14位)、大阪府大東市の「介護予防・日常生活支援総合事業」(21位)、神奈川県横須賀市の「エンディングプラン・サポート事業」(22位)、富山市の「富山型デイサービス」(23位)の4事業だった。2015年時点で65歳以上の人口比率(高齢化率)が30%を超えた都道府県が13団体に上り、自治体として大きな行政課題になっている中で、やや少ない印象だ。視察に値する成功例が少ないのか、あるいは成功例の共有が遅れているのか、気になるところである。

 以降では、人口規模別ランキングと、海外からのインバウンド視察のランキングを紹介する。文化型複合施設などの公共施設の整備事業については、別記事の「視察件数ランキング――公共施設編」(後日公開)で取り上げる。

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