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シティブランド・ランキング2016

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「シティブランド・ランキング2016 -住んでみたい自治体編-」第1位・札幌市

街のブランドイメージは狙い通り、課題は雇用

札幌市長 秋元克広氏に聞く

聞き手:麓幸子=日経BPヒット総合研究所長、取材&文=北室かず子【2016.11.22】

育児ストレスを軽減する常設の「子育てサロン」が市内約90カ所

――若年層の移住となると、子育て環境も気になる点です。子育てしやすい街への取り組みを聞かせてください。

 これまでの7年で保育所等の入所定員を約1万人増やしており、さらに拡充したいと考えています。また保育・子育て支援センターや児童会館を会場にした常設の「子育てサロン」が市内約90カ所で運営されています。これは、乳幼児を連れたお母さん、お父さんが集まり、育児相談などしながらコミュニケーションできる場所です。孤立などからくる子育てストレスを軽減し、子育てしやすい環境づくりを推進しています。先に申し上げた通勤圏がコンパクトである点も、子育てに適した環境といえるでしょう。

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札幌市内には常設の子育てサロンが90カ所以上ある。上3点は2016年8月にオープンした「まちなかキッズサロンおおどりんこ」 の写真。オープニングイベントには秋元市長も参加した(写真:札幌市)

――市長は、16年に新たに「まちづくり政策局」を設置しましたが、その目的をお聞かせください。

 1972年の冬季オリンピック札幌大会で進んだ札幌の基盤整備が更新時期を迎えています。新しい時代に対応するには、基盤整備のハード面と住みやすさというソフト面の組み合わせが重要ですが、行政はどうしても縦割りになりがちです。そこに横串を通すことを目的に設置しました。たとえば環境、雇用などがキーワードになるでしょう。また、北海道新幹線の延伸に向けて北海道の玄関口としての札幌駅再整備も官民連携で進めていきます。

ショーケースとして北海道全体を牽引する

2017冬季アジア札幌大会の公式サイト。開催まで100日を切った(画像は11月14日のもの)
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オータムフェスタの様子。2016年で9回目を迎え、過去最高の237万2000人が集まった(写真:札幌市)
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――17年2月には「2017冬季アジア札幌大会」が迫っています。アジア、世界の中でのポジショニングについてはどうお考えですか。

 温暖な地域が多いアジアにおいて、冷涼な北海道には日本の他地域とは異なるブランド性があります。第1回冬季アジア大会は1986年に札幌で行われたのですが、参加者は7カ国430人。今回は31の国と地域から2000人が参加予定です。

 アジアの所得水準が上がってウインタースポーツへの関心は、今後、どんどん高まるでしょう。北海道の雪質は評価が高くインバウンド増大が期待できます。こうした視点で見ると、今大会はウインタースポーツ・イベントをアジアに発信できる絶好の機会です。冬季オリンピックは2018年に韓国・平昌、2022年に中国・北京とアジア開催が続きます。大会運営を通して札幌によい印象を持っていただき、2026年以後の冬季オリンピック・パラリンピック招致へつなげたいですね。

――今回の調査で北海道内の函館市、小樽市、富良野市も上位30位に入りました。これらの都市はライバルですか。

 重要なのは、北海道の各地が発展していかないと札幌の魅力は維持できないということです。毎秋、大通公園で開催しているオータムフェストは、道内各市町村の「食」が大通公園に一堂に会するもので「さっぽろ雪まつり」に次ぐ240万人近い集客があります。このように札幌はネームバリューで人を呼び、ショーケースとして情報発信の出入り口となる機能も担えると思います。

 歴史的魅力のある小樽や函館との相乗効果もあり、海外への見本市や観光物産市に連携して取り組むことで、より力を発揮できるでしょう。具体的な連携では、16年、スポーツ大会や合宿を北海道全体で誘致するスポーツコミッションを立ち上げたところです。

――市長は「世界都市」という言葉をよく使用しますが、改めて「世界都市」とは何でしょうか。そして札幌はいかにして「世界都市」を目指しますか。

 「世界都市」とは、グローバルに人が動き、世界から注目される都市という意味です。利便性を保ちつつ環境への負荷の少ないエコロジカルなライフスタイルが実現でき、心の豊かさを保てる街として注目されたいと願っています。

 心の豊かさには文化創造が欠かせません。2014年には札幌初の国際的アートフェスティバルである「札幌国際芸術祭」が開催され、2017年に2回目を迎えます。また、16年10月には、過去10年にわたって開催してきた札幌国際短編映画祭の運営基盤をもとに「No Maps」(ノーマップス)というイベントを開催しました。これは「映像」、「音楽」に加え、ITやAIなどの「インタラクティブ」の3分野からなる国際ビジネスコンベンションとして、市民文化の醸成と合わせて、地域活性化につなげていこうというものです。

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2016年10月10日~16日までの7日間開催された国際ビジネスコンベンション「No Maps」の模様(写真:札幌市)

 こういった取り組みを通じ、人々が元気に活躍できる環境を整えていくことで、“人を大事にしたまちづくり”を目指しているのです。

秋元克広(あきもと・かつひろ)
札幌市長
秋元克広(あきもと・かつひろ) 1956年生まれ。北海道大学法学部卒業。1979年札幌市採用。2004年札幌市企画調整局情報化推進部長。2005年札幌市市民まちづくり局企画部長。2008年札幌市南区長。2009年札幌市市長政策室長。2012年札幌副市長。2014年札幌市副市長退任。2015年から現職(写真:田渕立幸)


■訂正履歴
初出時、2ページ目で「保険商品の企画開発を行う部門」と記していましたが正しくは「システム開発を行う部門」です。3ページ目で子育てサロンの数を「90カ所以上」と記していましたが正しくは「約90カ所」です。また、「保健センター」は正しくは「保育・子育て支援センター」です。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2016/11/25 19:15]
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