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地域を元気にするCSV

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第6回 CSRを進化させ日本初のCSV本部を発足、キリン(1)

赤池 学=一般社団法人CSV開発機構理事長【2015.12.16】

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キリンでは、ウェブサイト上でも同社のCSV活動を大きく紹介している(資料:キリン)

 2013年1月、国内の酒類や飲料を製造・販売するキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンが一体となり、国内総合飲料新会社としてのキリンが誕生した。本社部門は、3社で重複していた機能を統合して連携強化や効率化を推進するとともに、CSVを推進するための新たな部門として、日本初のCSV本部を設置した。

 前回、鹿児島県の茶業卸、下堂園が取り組む、有機茶葉生産者を支援するボトリングティ「吟穣茶」の取り組みを紹介したが、同様のCSVの取組みを大手飲料メーカーが実践した時、言うまでもなくそのインパクトは巨大なものとなる。今回から2回にわたり、キリンが取り組む、最先端のCSVプロジェクトをリポートしたいと思う。

キリンフリーの開発と缶・カートンの軽量化を実現

 キリンでは以前から、「事業を通じたCSR」を推し進めるために、リスク・コンプライアンス、アルコール関連問題、環境、食の安心・安全などのテーマに積極的に取り組んできた。その推進にあたっては、「価格営業から価値営業へ」という事業戦略の転換が掲げられ、その実践に対して2010年、一橋大学大学院国際企業研究科が主催する「ポーター賞」が授与されている。すなわち、後述するキリンのCSVへのチャレンジは、いきなりスタートしたわけではなく、これまで取り組んできた「事業を通じたCSR」を体系化し、進化させてきたものなのだ。

 そこでは、「製品・サービス」「バリューチェーン」「地域社会」の3分野でのCSVについて整理と体系化が行われ、様々なCSVプロジェクトが立ち上がったのだ。ここではCSV本部立ち上げ以前の事例も含めて紹介していく。

 まず、製品・サービスについては、「キリンフリー」による飲酒運転根絶プロジェクトが以前からスタートしている。全国交通安全運動に併せて、商品サンプリングと飲酒運転根絶の啓発イベントを実施。飲酒運転の根絶という社会課題と、世界初のアルコール分0.00%のビールテイスト飲料という新しい市場の創造を両立させた、CSVの極めて先駆的な取り組みである。

 バリューチェーンについては、缶・カートンなどの軽量化によるCO2排出とコストの削減に取り組んできた。容器の軽量化や包装資材の無駄の排除は、CO2や原材料、コストの削減につながり、環境問題の解決策となると同時に、バリューチェーンでの調達や物流コストの削減による競争力強化を果たすことができるからである。瓶の表面にセラミックコーティングを行うことで、強度を維持しながらガラスを薄くし、軽量化したリターナル瓶をすべての瓶に使用。従来品よりも約30%軽量化したアルミ缶のふたを同業他社に先駆けて採用し、年間約2万8000トンのアルミ資源も削減している。さらに、持ち運びやすさと取扱いやすさを向上させた、四隅を切り落とした段ボールカートンの採用により、年間約800トンの紙資源とコストの削減も実現してきたのである。

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